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日比谷公園再整備で伐採に大反対!【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

また東京都による樹木の伐採に都民が反対しています。
現場は、開園して以来「洋食・洋楽・洋花」という3つの洋を日本に伝え、日比谷公会堂や野外大音楽堂、通称“野音”があることでも有名で、今年120周年を迎えた都立日比谷公園です。
都は銀座や丸の内にも近いという好立地を活かすべく再整備を計画していますが、それに伴い何本もの樹木が伐採される可能性があると、元日比谷公園の管理所長など都民が計画の見直しを訴えています。
そこで「噂の現場」は、「一体どんな計画なのか?」を取材しました。

日本初の近代的洋風公園

日比谷公園は、明治36年に開園した日本初の近代的洋風公園です。
陸軍練兵場だった場所を、後に「日本の公園の父」と呼ばれるようになった本多静六博士が都市型の公園にするべく設計しました。
博士は100年後に緑の空間になることをイメージし様々な苗木を植えたといいます。
それから120年、今、日比谷公園は博士の狙い通りに樹木が育ち、緑溢れる都会のオアシスになっています。
しかし、元管理所長である高橋さんによれば、今回の再整備計画により約1000本の樹木が伐採されるかもしれないといいます。
例えば、周辺の繁華街との往来をしやすくするために日比谷通りを跨ぐ大きな橋を2本架ける予定ですが、日比谷公園側には樹齢が100年近いというクスノキの大木が何本も並んでいるのです。
工事が始まればその何十本かが伐採されることになるだろうといいます。

歴史的遺産も無くなるのでは?

再整備に伴い無くなるのは樹木だけでは済まなさそうだと高橋さんはいいます。
というのも、都のイメージ図を見ると、公園内でもっとも広い第二花壇が人の入れる芝生の広場に変わっているのです。
3つの「洋」の1つ、「洋花」を象徴する花壇が無くなってしまうのでしょうか、また「洋楽」を伝えてきた日本初の野外音楽堂「小音楽堂」も屋根が無くなっています。
その屋根の下では警視庁や消防庁の音楽隊が定期的にコンサートを開き洋楽の普及に一役買ってきましたが、姿を変えてしまいそうです。
そして、東京で初めて公園内にできた伝統のテニスコートと、知る人ぞ知る観光名所である三笠山も芝生の広場に変わっているのです。
元所長高橋さんは「イメージ図を見ると芝生の広場が増えている。きっと都はイベントなどがやりやすいように再整備するつもりなのだろう」と話しています。

都の再整備計画とは?

都は、日比谷公園周辺を国際ビジネス交流ゾーンと位置づけ、緑豊かな都市環境を整備するといいます。
2017年設置の「日比谷公園グランドデザイン検討会」での学識経験者の議論や去年3月の東京都公園審議会の答申を基に、去年7月、再整備計画を策定。
園路のバリアフリー化や周辺街区との回遊性強化を進める方針で大音楽堂の再整備なども盛り込んでいます。
そのテーマは「時をつなぐ」「人をつなぐ」「空間をつなぐ」だそうです。

神宮外苑の再開発では伐採が見直しに

およそ1年前、「噂の現場」で取り上げた神宮外苑の再開発に伴う樹木の伐採問題では、多くの都民が反対の声をあげ5万筆もの反対署名が集まりました。
今年4月に亡くなった坂本龍一さんも小池都知事に見直しを求める手紙を出したといいます。
この再開発に関しては民間企業が行う事業ということで環境に関する審議会が開かれ、その結果、伐採の本数を見直すことになったのですが、日比谷公園は都が行う公園の再整備なので神宮外苑と同様の審議会は開かれないといいます。
高橋さんは「このままだと都が具体的な伐採本数などを明らかにしないまま再整備が進んでしまう」と懸念しています。
都民の歴史的財産である日比谷公園を都民の税金で再整備するわけですから、都には具体的な計画の詳細を明らかにして欲しいと感じた噂の現場でした。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2023年4月23日(日)午後1:00~1:54

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