焼売とドーナツとコーヒー/監督 林田浩川 【天狗の台所 Season2 スタッフnote #8】
第8話「落果と小麦」を監督させて頂いた林田浩川です。
今週もご視聴、誠にありがとうございます!
8話の撮影話を少し。
私事ですが、2話分担当させて頂いたSeason1と違って、Season2はスケジュール上の関係で1話分だけの担当に……。
NO…!!
しかし担当話が8話と決まって、とてもテンションがあがったのを覚えています。
なぜなら、8話で登場する料理はどれも僕の大好物。
焼売に、ドーナツに、コーヒー……。
僕の父は元・点心シェフで、子供の頃は食卓に手作りの焼売がよく登場したこともあり、焼売は思い入れのある食べ物。
焼売って、うまいですよね。
焼売作りのシーンは、オンも一乃もエリスも焼売包みに夢中。
テイクを重ねるごとにみんな上手くなっていく!
「メガ焼売」はオン(越山敬達くん)の思いつきで、親子の仲直りのきっかけになる大事なアイテムになりました。
ナイスアイディア!
実食のシーンでは、焼売に醤油をつけて白米の上にワンバウンドさせてから食べる基(駒木根葵汰さん)の姿もお見逃しなく。
みんなめちゃくちゃ美味しそうに食べてますが、本当に美味しかったんです。
特にナス。
そして次の料理がドーナツ!
ドーナツって、うまいですよね。
調理シーンに関しては生地がちゃんと膨らんでいなかったり、膨らみ過ぎてたりすると見栄えが良くないので、生地の発酵具合にとてもこだわりました。
フード担当の夏井景子さんと助監督の皆様と、入念に撮り順を考えて撮影。
そのおかげもあって、一乃とエリスがプニプニこねている生地たちは、ザ・ベストコンディション。
とても可愛く映っておりませんか?
そしてドーナツにはもれなくコーヒー。
すかさずコーヒー。
新鮮な豆を仕入れていただき、ブワーっと気持ちよく膨らみました。
お湯が入ったポットは琺瑯でできていて、持ち手が激アツ。
なのに涼しい顔をして丁寧にドリップする基に、あっぱれでございました。
天狗力!
さらに料理シーン以外にも、思い入れのあるシーンが。
冒頭のむぎが発見されるシーンでは、スピカちゃんが狭い所にちゃんとステイしてくれるか、ソワソワ。
でもいざ撮影を始めてみたら、ひょこっと可愛くそこに座ってくれているではありませんか。
ありがとうスピカちゃん。
可愛いね。
次に会ったら焼売あげる。(もちろん玉ねぎ抜きの特製!)
一乃とエリスが息子たちの頼もしい姿を見て、ふたりで歩くシーンも大好きです。
誇らしいけど、ちょっと寂しい。
そんなふたりの気持ちが伝わるように、ふたりが小さく映るヒキのカットを長めに使ってみました。
最後の「もう少し、このまま見守っていようかな」というセリフは、脚本家の天野千尋さんと一緒にじっくり悩んだセリフです。
しっとりと希望を込めて口にしてくれた一乃(渡辺真起子さん)。
その後のエリス(原田泰造さん)のあったかい「うん」も素敵でした。
8話は険悪ムードだった飯綱家が修復する回です。
こういう家族喧嘩って、意外とずっと覚えてたりするんですよね。
この喧嘩を経て、飯綱家の絆がさらに深まっていたら嬉しいです。
そしてドラマを通して、視聴者の皆様にとっても良い時間が流れていると幸いでございます。
「天狗の台所 Season2」残すところあと2話。
どうぞ最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!
監督の林田浩川でした。
最後までお読みいただきありがとうございました!
書いた人:林田浩川(映画監督/脚本家)
火曜ドラマ9「天狗の台所 Season2」
BS-TBS 毎週(火)よる9:00~9:30
【TVer】放送終了後 よる9:30から配信
【Netflix】放送終了後 深夜0:00から配信
出演:駒木根葵汰 塩野瑛久 越山敬達 ほか
原作:田中相『天狗の台所』(講談社「月刊アフタヌーン」連載)
脚本:岨手由貴子 山田能龍 天野千尋 熊本浩武 ナラミハル
監督:長島翔 下田彦太 川井隼人 林田浩川 畑中みゆき
主題歌:「人人」折坂悠太(ORISAKAYUTA)
音楽 : VaVa(SUMMIT, Inc.)
プロデューサー:平賀渉(BS-TBS) 五箇公貴(maroyaka) 向井達矢 (ラインバック)
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