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北上する千葉のキョン!東京出現ももう間近!?【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

今回の「噂の現場」は、千葉・房総半島で、庭の花や農作物を食い荒らす、シカに似た動物、「特定外来生物・キョン」の被害について。
これまで番組は9年前から3度取材してきましたが、その間にキョンの生息数は1万7千頭から5万頭を突破するほど増加。被害地域も5から17市町に拡大しました。
そこで千葉県は去年、キョンの北上を食い止める「分布拡大防止ライン」を制定。
果たしてこれで被害は食い止められるのか?
くわしく取材しました。

食害拡大、人にも慣れた!? 勝浦市の住宅街、悪化していた被害。

もとともと勝浦市の行川アイランドで飼育していたものが逃走し野生化し、市内で被害が見られるようになったキョン。
その勝浦市の住宅街では、以前からの花の食害に加え、固い植物も食べられるようになるなど、被害が悪化。
庭のネットは3度高く張り替えても飛び越えてくるようになりました。
また以前は夕方以降に徘徊していたキョンが、昼間から住宅街を歩き、庭先や玄関にまで侵入するなど、あまり人を怖れなくなっていました。
一方で身軽なことから箱ワナにはかかりにくく、捕獲は依然としてあまり進んでいませんでした。

千葉県の対策、年間8500頭の捕獲計画と「分布拡大防止ライン」

この状況に千葉県は昨年、2021年4月から26年3月を期限とする「第2次千葉県キョン防除計画」を策定。
分布拡大の防止、生息数の低減化、農作物被害の防止を図り、最終的にはキョンの完全排除を目指すとし、年間8500頭のキョンを捕獲するとしました。
またこの防除計画の中で、キョンが定着していると考えられる地域から、北部地域への分布の拡大を防止するために、市原市中部から一宮町にかけて「分布拡大防止ライン」を設定しました。

しかし…キョンは千葉県北部、柏市まで北上していた。

しかし勝浦市の住民からは、キョンはすでに県が設定した「分布拡大防止ライン」より北部の地域で生息してるのではとの声が…。
そこで東京から30分の千葉県の都市部、柏市でキョンの情報を調査したところ、農家の方から、畑を横切るキョンを目撃したとの証言が。
キョンはすでに県が制定した「分布拡大防止ライン」を超え、東京付近まで生息域を拡大していたのです。

今後は…キョンの皮の有効利用と対策を

現在、千葉県ではICT機器を活用し、箱ワナにキョンがかかったかどうかを、見回りせず確認できるようにするなど、捕獲の能率の向上を検討しています。
また柏市の革製品の店では、キョンの皮を使った財布や名刺入れを販売するなど、キョンの有効活用の動きが広まっています。
これまでイノシシやシカほど農作物被害が甚大でなかったことで、対策が遅れ続けてきた面があるかもしれませんが、このまま5万頭、6万頭と増えていき、柏、東京と生息域が拡大していけば、被害も相対的に大きくなります。
今後、被害の拡大を食い止めるためには、現在民間だけで行われている皮の活用に行政も助成・協力するなど、新しい考え方、捕獲を促進する方法を検討することも、必要ではないでしょうか。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送日:2022年3月27日(日)午後1:00~1:54

▽BS-TBS「噂の!東京マガジン」 毎週日曜ひる1:00~1:54 放送中です。

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