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なぜ都会を離れて田舎に移住?森を再生するロマンとは?【噂の!東京マガジン「噂のあの人」】

夏から始まった新コーナー「噂のあの人」の第2回です。
今回は都会から田舎に移住し林業に転職した若者を小島奈津子さんが取材しました。
仕事がきつくて地味ということで敬遠されがちな林業になぜ転職したのか?
その理由を探っていくと、林業に新規参入し新しい風を吹かせている会社の存在がありました。


林業に転職した若者:片岡洸太さん

神奈川県横浜市出身の片岡洸太さん23歳は、去年の夏、林業の会社、青葉組に入社した新人林業マンです。
大学を卒業後、不動産会社に入社しましたが水が合わず1カ月で退社、仕事を探していた時に青葉組のことを知り転職したといいます。
洸太さんの心を掴んだのは、青葉組の主な業務である「造林」です。
それまで洸太さんは林業といえば伐採のイメージだったそうですが、山を整備し植林し、半世紀後をイメージして木を育てていく「造林」という仕事があることを知り、未来に繋がる仕事なのでやってみたいと思ったといいます。

現場は杉の名産地、栃木県鹿沼市

この日の現場は日本有数の杉の生産地、栃木県鹿沼市の国有林。
かつては地元の林業組合が造林していましたが、人手不足になり、青葉組のような民間企業に委託するようになったのです。
その現場で活躍していたのがドローンでした。
青葉組は1機約700万円のドローンを導入し、山の上へ苗木や資材を運んでいました。
人が担いで登っていた頃は1時間かかった重労働が、今はわずか30秒で済むようになっていました。
洸太さんたちはドローンが運んでくれた苗木を1日300~500本、2週間に渡り植林していました。

深刻な人手不足の造林

林業の担い手は35年前の約4割にまで減りましたが、中でも伐採よりも造林に携わる人の方が少ないのです。
伐採では重機の開発が進み労働環境が改善されましたが、造林は重機でできることが少なく、どうしても人による作業が多いので敬遠されがちだといいます。
その結果、伐採に造林が追い付かず土砂崩れの危険が増しているという指摘もあります。
そんな中、青葉組は注目される存在なのです。

若者が集まる青葉組の働き方改革

青葉組に転職した若者は洸太さんだけではありません。
社員約30人、そのほとんどが都会から移住してきた若者たちなのです。
なぜ若者が入社してくるのか?
その理由の一つは魅力的な働き方にあるようです。
青葉組は3日働いて1日休むという3勤1休制。
雨で作業ができない日も出勤日になるので、必ず4日に一度休日があるのです。
しかも労働時間は6時間限定、休憩時間を除くと実質労働時間は4時間半になります。
出勤は朝早いですが、午前中で仕事が終わるので午後はプライベートタイムとして使えるのです。
またドローンなどの最新技術を導入することでも若者の心を掴んでいるようです。
そんな青葉組の社員からはこんな声が聞こえてきました。
「青葉組はどんどん変化して成長している、他と違います。やめられないです、この会社は。」
洸太さんも「会社として生物多様性を意識している。広葉樹を植えてその実を動物が食べ、微生物が増え、それを食べる虫が増え、その虫を鳥が食べるという、豊かな森を目指していることに共感できる」と言っていました。

国や市も刺激を受け動き出した

青葉組の現場でドローンによる作業を見た林野庁の所長は「実は、ドローンを使っての事業は私の管内では、まだほとんど実績がありません。非常に速いスピードで苗木や資材を運べるので夏場の暑い時期の作業はかなり快適な環境になると期待しています」と発言。
国はドローンへの補助金を検討しているといいます。
また鹿沼市も青葉組と共同で子供や若者に林業の魅力を知ってもらうイベントを開催しました。
そして、栃木県は来年4月、林業の未来を担う人材を育てる「栃木県林業大学校」を開校する予定です。
林業に新たな風を吹かせている青葉組とそこで働く若者たちが林業が変わるきっかけになると感じた「噂のあの人」でした。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2023年10月15日(日)午後1:00~1:54

BS-TBS「噂の!東京マガジン」
毎週日曜ひる1:00~1:54 放送中

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