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厄介者のムラサキウニが素敵に変身!?【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

夏休みの自由研究第3弾では「神奈川県三浦半島のウニ」を取り上げました。
三浦半島の相模湾側では、海藻がほとんどなくなってしまう「磯焼け」の被害が広がっています。
その原因の一つが海藻を食べてしまうムラサキウニの増殖です。
なぜムラサキウニが増えたのか?
どんな対策を行っているのか?
漁業に被害をもたらしているムラサキウニを美味しく食べられるウニに変身させた研究などを取材しました。

葉山芝崎海岸の磯焼け

昭和天皇が調査研究のために度々訪れた葉山町の芝崎海岸は、海洋生物の宝庫でしたが、現在は磯焼けにより貴重な生き物たちが危機に瀕しています。
海藻がほとんど生えていない磯はウニだらけ。
少しだけエサを食べれば生きていられるムラサキウニだけが増殖しているのです。

三浦半島の漁業に被害

ムラサキウニが食べ尽くしてしまう海藻ホンダワラは名産品のサザエやアワビのエサでもあるので、三浦半島ではサザエやアワビの漁獲量がかつての10分の1にまで激減、漁業関係者は被害の拡大を懸念しています。

葉山町や逗子市の海岸で駆除活動

一番有効な対策は増殖するムラサキウニを駆除すること。
そこで葉山芝崎海岸では、ダイビングスクールのスタッフとお客さんが、逗子海岸では漁協関係者とサーファーなどの市民が駆除活動を行っていますが大量に駆除したムラサキウニがもったいないという声もあがっていました。

食べることができないムラサキウニ

駆除されたムラサキウニには食べられる身がほとんどないのです。
海藻をたくさん食べて育ったムラサキウニは高級食材ですが、磯焼けした磯で育ったムラサキウニには身が入っていないのです。

ムラサキウニでたい肥作り

食べられないウニをなんとか利用する方法はないのか?
葉山町の農場がウニを使ったたい肥づくりに挑戦しました。
するとミネラルやカルシュウムが多い栄養満点のたい肥ができました。
そして、ウニ堆肥で野菜を育てたところ美味しくなったのです。次の段階ではウニたい肥を販売し得た利益をウニを駆除する資金にするというシステムの構築を目指すといいます。

美味しいキャベツウニ誕生秘話

ウニをたい肥にする試みが進む一方で、駆除したウニを養殖で美味しくできないかという研究も進められていました。
そして、ついに美味しいウニに変身させることに成功したのです。
研究開発に取り組んだのは神奈川県の水産技術センター。
担当者の臼井さんはお弁当の食材をムラサキウニのエサにするなどしてみました。
するとある野菜をよく食べたのです。
それは三浦半島の名産品であるキャベツでした。
しかも傷んで出荷できないキャベツをウニのエサにしたのです。
身がスカスカだったムラサキウニをキャベツで育てると、黄色い身がたくさん入っていました。
3年前から漁業者による養殖も始まり、7月に期間限定ですがスーパーなどでの商品化にも成功しました。
三浦半島の漁業者と農家は、キャベツウニを新たなブランドの名産品にしたいと期待を寄せています。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送日:2022年8月21日(日)午後1:00~1:54

▽BS-TBS「噂の!東京マガジン」 毎週日曜ひる1:00~1:54 放送中です。

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