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首都圏最後の空白地開発で桜伐採の計画に、住民驚き【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

横浜市にある、首都圏最後の空白地。巨大な緑地を南北に貫く、「海軍道路」。
市は現在、この「海軍道路」沿いに植えられた200本以上もの桜の伐採・撤去を計画。住民が反対しています。
なぜこんな巨大な緑地があるのか。
そして、海軍道路という名前の由来とは。
さらに、市はなぜそんなに多くの桜を伐採しようとしているのでしょうか。

東京ドーム52個分 日本海軍および米軍の跡地 平和への祈りを込めた桜

東京・町田市に接する、横浜市の西の端、瀬谷区。
そこに広がる、東京ドーム52個分もの、広大な緑地。
この緑地は、かつて日本海軍の倉庫施設だった場所を、戦後、米軍が接収し通信施設に。
全域が約250人の地権者に返還されたのは、70年後の2015年のことでした。
この緑地を南北に貫く3キロの道について、市は約46年前、市民から愛称を募集し「海軍道路」と名付けました。
またその頃、沿道に、平和への思いを込めて、桜の樹を植樹しました。
ところが横浜市は、現在282ホンある沿道の桜の大半を、伐採・撤去しようとしているのです。

なぜ花博のために桜を200本以上伐採?住民が納得できない理由

横浜市はこの巨大な緑地で2027年の3月~9月、花博、国際園芸博覧会の開催を計画。
その際の渋滞緩和のため、海軍道路の一部拡幅および沿道の桜244本の伐採・撤去を計画しました。
しかし住民は「よりによって、花博でなぜ花を伐採するのか」「直線道路の一部を拡幅しても意味がない」「海軍道路から生活道路に車が流入する」と反対や心配をしています。

花博終了後の計画

花博の開催期間は半年間。では市は博覧会終了後、この広大な土地をどうするつもりなのか。
横浜市の資料によると、市は花博後の土地の中心部に、テーマパークを核にした約70haの「観光・賑わいゾーン」を計画。
実はすでに、新たなまちづくりを、すでに構想していたのです。
しかし住民は、米軍の施設だったことで開発されず残った自然、オオタカやノリスなど、首都圏では珍しい貴重な生き物が生息する自然を、なるべく残してほしいと訴えています。

桜並木保存と渋滞解消 両立策はある しかし…

横浜市長は会見で、海軍道路の桜並木の撤去の時期は「調整中」との回答。
見直す意志がないことを表明しました。
一方、反対住民は、鶴岡八幡宮の段葛や仙台市の定禅寺通りのように、桜並木を中央に残し外側に道を作れば、桜の保存と渋滞緩和を両立できるのでは、と考えています。
しかし現在のところ市は、その案を検討してはいません。
横浜市としては、手つかずの広大な緑地を活用し、観光の拠点を作り、新たなにぎわいを生み出すのも、大切な仕事だと思います。
しかし、貴重な、広大な自然 そして40年以上、区を象徴してきた桜並木を、「再生」という名のもとに、一挙になくしていいものでしょうか。
もう一度、住民と話し合いながら、慎重に考えていただきたいと思います。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送日:2022年8月28日(日)午後1:00~1:54

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