見出し画像

許すまじ窃盗犯!相次ぐ桃泥棒の被害【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

今回「噂の現場」は、日本有数の桃の産地、山梨県の甲府盆地でこの夏、相次いでる桃泥棒について、その現状と対策を取材しました。
そして取材を進めると組織的な窃盗団による計画的な犯行である可能性が浮上してきたのです。
桃農家を苦しめている犯人は何者なのか?

世界が認めた果物の産地

今年7月、ブドウや桃の収穫量が日本一である山梨県峡東地域(甲州市、山梨市、笛吹市)の扇状地に適応した果樹農業システムが世界農業遺産に認定されました。
峡東地域で収穫された桃の品質は高く、中には有名フルーツ店やデパートで1個800円以上で売られるブランド桃もあります。
山梨県は世界に誇れる果物の産地ですが、夏の収穫期に入り盗難の危機に瀕しています。

日本一の桃の里で桃泥棒被害

6月15日に桃の生産量全国1位の笛吹市で1400個が盗まれ、2日後に3位の山梨市で1500個盗まれるなど、6月中旬から7月中旬にかけ計1万7千個あまりの桃が盗まれています。
1年手塩にかけ育てた桃を収穫目前に盗まれた農家は落胆しています。
被害額は400万円にのぼっていますが、犯人は捕まっておらず被害は拡大しつつあります。

今までに無かった新手口

噂の現場の取材班は、犯行の手口から犯人像を探ってみました。
桃は一晩に少なくても1000個以上、多ければ5000個ほど盗まれているので単独犯ではなく複数犯の可能性が高いのです。
また、盗んだ桃にも特徴がありました。
実は熟す前のまだ青い桃も大量に盗まれているのです。
過去にも盗難はありましたが、ほとんどの場合、熟した桃を盗まれています。
青い桃が盗まれたのは今年がほぼ初めてだといいます。

フリマサイトに青い桃の出品

大量に盗まれた青い桃はどうなったのか?
その行方を探っているとフリマサイトに青い桃が大量に出品されていたのです。
しかも出品された日は山梨県で大量に桃が盗まれた翌日の6月22日。
出品者と購入者のやりとりは、ほとんどがベトナム語。
どうやらベトナム人同士の売買のようなのです。
実は調べてみるとベトナムには好んで熟していない青い桃を食べる習慣があったのです。
一連については現在警察が捜査中とのこと。

増えているベトナム人窃盗団による犯罪

現在、外国人による犯罪の件数で一番多いのがベトナム人による犯罪です。
そして、その多くが窃盗なのです。
去年、群馬県では今回の桃泥棒に似た事件が起きています。
収穫直前の梨が5000個盗まれベトナム人窃盗団が逮捕されましたが、その手口は巧妙かつ組織的なものでした。
まず複数の窃盗役が梨を大量に盗み、その梨をSNSで別のベトナム人に売っていました。
さらに買ったベトナム人がフリマサイトなどで梨が盗難品であることを知らないベトナム人などに売りさばいていたのです。
つまりマネーロンダリングのごとく、梨ロンダリングをしていたのです。
今回も桃ロンダリングされている可能性があり、暗躍するベトナム人窃盗団の存在があるかもしれません。

山梨県をあげた対策

犯人逮捕は警察に任せるしかありませんが盗難防止の対策は必要です。
しかし桃農家は日の出から日没までの収穫でクタクタです。
高齢化が進んでいることもあり夜間の見回りはできません。
そこで地域が協力することになったのです。
日中は桃農家がパトロールし、夜間は消防団が持ち回りでパトロールするなどして対策しています。
なおかつ自治体も迅速に対策へ乗り出しました。
山梨市は民間と共同開発した最新式の人感センサーを農家に無料で貸し出しています。
また山梨県も長崎幸太郎県知事が対策費として総額1億2千500万円を投入すること決め、防犯カメラの設置や警備会社によるパトロールの費用などを補助することにしました。
さらに山梨県出身者が勤務する産業用ドローンの開発・空撮業務を行う会社が暗闇に潜む窃盗犯を赤外線カメラで浮き上がらせることができるドローンでの対策を申し出るなど、官と民、地域が一体となった対策が進んでいます。
桃の収穫期は、夏の間に終わりますが、秋には高級ブドウ「シャインマスカット」の収穫期を迎えます。
それまでに万全の対策を整えられるよう現地は動いています。
「噂の現場」は今後も山梨県民と桃の窃盗犯の戦いに注目していきます。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送日:2022年7月31日(日)午後1:00~1:54

▽BS-TBS「噂の!東京マガジン」 毎週日曜ひる1:00~1:54 放送中です。

▽「やって!TRY」公式YouTube
レシピ動画を毎週公開中!例えばこんな動画が…

▽「噂の!東京マガジン」公式インスタグラム
こちらでもレシピ公開しています。
https://www.instagram.com/uwasano_bstbs/

いいなと思ったら応援しよう!