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なぜ50年も解決しない?危険な駅【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

池袋から電車で約1時間、埼玉県の東武鉄道越生(おごせ)線川角駅。
この駅とその周辺は、毎朝、通学する学生と車で大混雑し、周辺の住民にも迷惑を及ぼしています。
しかもこの問題、50年以上続いているそうです。
なぜ混雑が続き、半世紀も解決しないのでしょうか。

ホーム、階段、改札、踏切、道路…すべて大渋滞

埼玉県中部の毛呂山町(もろやままち)にある、川角駅。
昼間はのどかなこの駅の周辺は、朝の通学時間帯は、大渋滞が発生します。
ホームは学生で一杯になり、逆側に渡る階段は身動きが取れないほどに。
というのも川角駅には、改札口が北側に一つしかないからなのです。
混雑は駅を出た後も続きます。北口の改札の反対側、南側へと踏切を渡る学生が大行列に。というのも、この駅の南側には、学生数7500人の城西大学、1500人の日本医療科学大学など、3つの大学と高校が集中してるからなのです。

また大学までの道は、学生と車がいつもスレスレで通行。
混雑するだけでなく、危険な状態。
近隣の住民も、車が車庫から出せない、渋滞するなど、迷惑を受け続けています。
しかもこの状態が、50年以上続いているというのです。

さまざまな策が上手く行かず…50年の経緯

こんな状態が、なぜ半世紀以上、改善されないのか。
住民によると、町はこれまで様々な対策を講じてきたものの、いずれもうまく行かなかったといいます。
 
まず1970年代後半に駅周辺を市街化しようとしたものの、地権者から「土地の税金が上がる」と反対され実現せず。
2016年には駅南側に改札口の「新設」を東武鉄道に要望したものの、改札の新設には、駅周辺が整備されていること、請願者、つまり町が費用負担することが基本であること、また管理運営上の観点から原則は橋上化という考えなどから、実現せず。
そこで2018年、「橋上駅舎化」が検討されたものの、約17億円の整備費を町がまかなえず、実現せず。
大学から寄付金などもあり、駅の南口に改札を「移設」する案が出るも、毛呂山町のほとんどが川角駅の北側にあり、栄えているのも北側のため、町の住民の賛同が得られなかったといいます。

住民が考えた新たな対策案

半世紀も解決しない事態を受け、2022年には住民、大学関係者、識者らで構成する「川角駅周辺地区整備協議会」が設置されました。
また現在、住民からは、市街地整備などの事業を国が支援する、「社会資本整備総合交付金制度」を活用して、駅周辺を一体的に整備し、あわせて駅を橋上化したらどうか、という案も出ています。

町の対応次第…鉄道会社の見解

川角駅を利用する学生が要望していたのが、臨時改札や無人改札の設置。
これについて東武鉄道は、「法的な制限はないため技術的には可能です。ただし整備にあたってはお客様の安全、整備の費用、設備の管理運営等々の観点から、調整が必要です」と回答。
また「毛呂山町より具体的な協議がございましたら、対応してまいります」とのことでした。

町の今後の対応は

番組の取材に対し毛呂山町の担当者は、「沿線住民などを含む地区整備協議会の方針を尊重し、関係各所と協議しながら進めていく」とのこと。
しかし具体的な進展は、今のところ、見られていません。
取材中印象的だったのが、「地方自治体が地域の方に寄り添った行動をしてくれれば…」と語っていた、一人の学生さんの言葉でした。
50年続いている危険な状態。
本腰を入れて、解決していただきたいと思います。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2022年12月4日(日)午後1:00~1:54

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