勝手に停めて放ったらかし!なぜなくせない 迷惑な不法係留船【噂の!東京マガジン「噂の現場」】
千葉県船橋市に在住の視聴者から「港付近を散歩をしていると、壊れた船が、長い間そのままになっているのを見かけます。船体には登録番号などがあり、持主がわかるはずなのに、なぜそのまま処理されないのか」とのメールをいただきました。
勝手に停めて放ったらかし、いわゆる不法係留船の根本的な問題点を探りました。
まるで船の墓場…プレジャーボート条例が制定されても、沈没船だらけの水路
船橋漁港の隣、海につながる「日の出水路」には、約500mに15隻もの不法係留船が(番組調べ)。
しかもそのうち11隻の船体がほぼ沈没。
住民は景観の悪化や火災などに不安を抱いていました。
千葉県は2018年に条例を制定し、不法係留のプレジャーボートを重点的に指導する区域を指定していましたが、沈没した船の一部は、撤去されず残されたまま。
漁協によると、「昭和の終わり頃から不法係留に悩まされている。小型船は購入の際、保管場所を確保する義務がないのが、そもそもの問題点。」とのことでした。
河川も不法係留船の列 そもそも係留スペース不足という問題も
千葉県の真間川には、45隻もの不法係留船の列が(番組調べ)。
ボートの他、漁協の漁船もあったため取材したところ、「昔からの慣例であり、現実に停める場所がないことから、無許可で停めている、ただし今後は県と話し合い移動する」とのことでした。
県内には浦安マリーナなど民間の係留施設があるものの、利用料が高額と敬遠するボート所有者が多数。
また船橋には漁協が管理する係留施設があるものの、船の数に対してスペースがなく、数年先まで空きを待つ状況、とのことでした。
なぜ撤去しないのか?千葉県担当者の見解
番組の取材に対し、千葉県は担当者が現場で回答。
「不法係留船所有者には勧告書を提示や送付などしているものの、緊急性がないため行政代執行の予定はなく、所有者との交渉状況も今後の交渉への影響があるためお伝えできない」とのことでした。
また保管場所確保の義務化については、2021年「九都市首脳会議から意見書」で、国に要請しているとのことでした。(九都市…千葉市 東京都 千葉県 神奈川県 横浜市 川崎市 さいたま市 相模原市)
勝手に造った係留設備を寄付させ活用 静岡県・清水港の独自策
不法係留船に長年悩まされてきた静岡県清水市では、県条例を制定し、県の係留施設を設置。
さらに、所有者が勝手に作った係留設備を県に寄付させ、その後、その設備を県が所有者に貸し、使用料を取る独自策を実行し、不法係留船を減少させました。
保管場所確保の義務化・保管場所の拡充 両方の実現を
ボートなどの小型船の保管場所の義務化について、番組の質問に対し、国からは次のような回答が。
(以下主要部分抜粋)
「保管場所の確保の義務化に関しましては(中略)係留・保管施設の拡充の状況や(中略)義務化に伴う行政コストの増加や法令違反への対応といった様々な課題を勘案しながら検討する必要があり、義務化するまでには時間をかけて検討する必要があると考えています。(中略)それまでの当面の間については(中略)係留・保管施設を確保するとともに、重点的に放置等禁止区域の指定の拡充を図ってきたところです」
平成30年度の国の調査によると、全国で確認できる16万隻の船のうち、放置艇は実に7万隻にのぼるといいます。
保管場場所の確保と共に、保管場所の確保の義務化にも早急に、本格的に取り組んでもらいたいと思います。
文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送日:2022年7月24日(日)午後1:00~1:54
▽BS-TBS「噂の!東京マガジン」 毎週日曜ひる1:00~1:54 放送中です。
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