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道路計画変更で家を削れ!?東京都に振り回される住民たち【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

これまで「噂の現場」では、都市計画道路の問題を数多く取り上げてきましたが、今回はかつて無かった極めて稀なケースです。
道路計画地の外だった自宅の敷地が、いつの間にか計画地の中になってしまったと訴える住民たちがいます。
敷地が計画地にかかっていると9年前、突然東京都から告げられ困惑している住民たちを取材しました。

計画地外がなぜか計画地内に

昭和38年に決定された都市計画道路3・2・8府中所沢線は約6割完成していますが、未着工である小平市の1.4キロ区域の道路計画地に面している横並び11世帯が都から計画地にかかっていると指摘を受けました。
しかし、住民たちが暮らしている土地は、昭和55年に、宅地開発者が道路計画地の外だということを確認し東京都の認可を受けて宅地化し売買された土地なのです。
それがなぜ計画地の中に?
それが最大の謎でした。

計画地内になった理由を東京都に求めた住民

納得がいかない住民たちは8年前、都に対し説明を求めましたが、「担当者が変わった」などと言われ、その後8年、はっきりとした理由を知らされていません。

不安と不満を訴える住民たち

一戸建ての自宅が1メートルほど計画地にかかる女性は、キッチンを削る工事を行っても住み続けたいといいます。
なぜなら思い出が詰まった自宅だからです。
しかし、年金暮らしで都から出る補償金の額も分からないので不安だと言います。
また古い日本家屋の住民は、こう不満を訴えます。
都の担当者が80センチ家の庇を切ればいいと言ったが、わざわざ宮大工に建ててもらった家なので簡単に切ることはできない。
都は曳家で後退させてはどうかとも提案してきたが、隣とのスペースが狭くできない。
実は、この日本家屋は55年前計画地の中にあったものを都に確認し計画地の外へ約70メートル曳家しているのです。
それをまた曳家しろとはどういうことなのか、住民は都に不信感を募らせていました。

疑いの目を向けられた地主

日本家屋の住民は地主でもあります。
55年前、都に道路計画線を確認し宅地造成を行い土地を売っています。
当時計画地内は「いずれ立ち退きになる」と伝え売却。
計画地外は「道路計画の影響を受けない」と伝え売却。
しかし、計画地外だとして売った土地の11軒が計画地にかかってしまったので、知っていながら売ったのではという疑いの目を向けられたといいます。
疑いはすぐに晴れましたが地主も土地を買った人たちも都は無責任だと怒っています。

驚きの東京都回答

住民が一番知りたいことは、「計画地の外がなぜ計画地の中になったのか?」それを番組は都にぶつけてみました。
するとこんな驚きの回答が、「事業実施段階で測量を行うことで、敷地と都市計画線の位置が明らかになります。」というものでした。
つまり道路計画線には誤差があり、最終的な測量により分かるというのです。
しかし、土地を売った地主も買った人たちも、計画線に誤差があるとは聞かされず、自分の自宅は道路計画に関係ないと思い暮らしてきたのです。
大切な個人の財産を削る理由がこのようなことでいいのでしょうか?
都市計画道路の新たな問題が浮き彫りになりました。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送日:2022年7月10日(日)午後1:00~1:54

▽BS-TBS「噂の!東京マガジン」 毎週日曜ひる1:00~1:54 放送中です。

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