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得体の知れない⁉データセンターに住民大反対!【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

私たちが日常的に使っているLINEやメールなどは送信者から直接受信者に送られているわけではありません。
必ずデータセンターという施設を経由し送受信されています。
社会のデジタル化が急速に進む今、データセンターは建設ラッシュとなっていますが、千葉県では住民が建設計画の見直しを強く訴えています。
一体なぜなのか?
「噂の現場」が取材しました。

データセンターとは?

大容量のサーバーや情報処理機器が置かれているデータセンターは、YouTubeやインスタグラムなどの配信にも必要で、さらに金融、医療、交通、行政サービスなど様々なデータ処理にも欠くことができない社会インフラです。
データセンターで不具合が起きれば社会の一部がマヒしてしまうという重要な存在なのです。

データセンターの街“INZAI”

データセンターが数多くある千葉県印西市は「INZAI」として世界的に有名です。
窓がほとんど無い巨大なデータセンターが建ち並ぶ区域の周辺には住宅が無くそこは未来都市のようですが、監視カメラが目を光らせていて異様な空気も漂っています。
テロの対象になる可能性もある施設ということで、どこの会社のデータセンターなのか、どんなデータを扱っているのか、全てがベールに包まれています。

データセンター建設に反対する柏市民!


その印西市の隣、柏市では今、住民がデータセンターの建設に反対しています。
住民は「データセンターは迷惑施設だ。計画を見直してほしい」と訴えています。
というのも建設現場が印西とは違い住宅地に隣接しているからなのです。
高さ37mの巨大なデータセンターが4棟建つ予定で、すでに1棟はほぼ完成しています。

なぜ迷惑施設なのか?

住民はこう訴えています。
まずは工事期間が8年と長期な点。
災害に強い建物にするため工期が長くなってしまうのです。
その間、大型トラックが何度も住宅地を行き来するので排気ガスや騒音、歩行者も危険に晒されるというのです。
そして完成後は室外機の騒音が心配だといいます。
大型コンピューターなど精密機械があるデータセンターでは数多くの空調機が365日24時間稼働します。
その室外機の音が騒音になるのではと心配しています。
実際、アメリカのバージニア州では室外機による騒音が社会問題になっているのだそう。
また停電時などに備えた自家発電設備も住環境を悪化させると訴えています。
毎月1回行われる試運転では重油で動くタービンの大きな音が住宅地に響き、排気ガスが漂うことになるといいます。
地下に大量に備蓄される重油が住宅地にあるのも不安だといいます。

柏市の隣り流山市でも住民が大反対!

流山市での計画地は市役所のすぐ横、一戸建てが建ち並ぶ閑静な住宅地の真ん中。
そこに市庁舎よりも大きなデータセンターが建設される予定なのです。
住民は騒音などの住環境の悪化を心配していますが、何より流山市による方針変更が許せないと言っています。

流山市でも柏市でも行われた土地の変更

流山市の計画地はもともと第1種住居地域で高さ12m以上の建物を建てることができない区域だったのです。
その住環境を気に入り多くの人が住むようになったのですが、そこを流山市が商業地域に変更、高さ30mのデータセンターの建設が可能になったのです。
実は柏市も大きな建物が建てられない市街化調整区域にデータセンターができるよう地区計画の変更という手続きを行いました。
住民は行政に裏切られた気分だと言っています。

データセンターの建設を可能にした行政の狙い

データセンターの建設を可能にした理由を行政に取材すると、「街づくりの方針を示すマスタープラン通りに行った」という回答がありました。
柏市は「マスタープランで計画地を文教・企業用地として活用したいとしていたところに事業者からデータセンター建設の提案があったので許可した」といいます。
また流山市も「計画地について業務地としての機能の充実に努める方針だったところに事業者からその方針に合った提案があったので商業地に変更した」といいます。
実は、計画に賛成している住民もいるのです。
柏市で賛成している住民は、大きな税収アップが見込めるのだから歓迎すべきだと訴えています。

国の方針は地方分散だが首都圏に集中

データセンターの増設は国の重要課題でもあります。
そのため国は建設などに対し年間1000億円という補助金を用意していますが、思い通りになっていないといいます。
東京大学の教授である専門家は、「国は経済の中心である首都圏に集中しているデータセンターを地方へ分散しようとしています。首都圏に直下型大地震がきて社会がマヒすることを回避するためです」と言っています。
そのため補助金は東京や千葉、埼玉、神奈川などの首都圏では出ないのです。
しかし実情としては、エンジニアなどにとって便利な首都圏での建設計画が増えています。

必要なのは周辺住民にとってのメリット

事業者は利便性の良い場所での建設を望んでいるようですが、反対する住民も多いのです。
そこで必要となってくるのが住民にとっての直接的なメリットだと専門家はいいます。
社会にとって必要不可欠なインフラ・データセンター、どんなメリットを住民に示すべきなのでしょうか?

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送日:2022年11月13日(日)午後1:00~1:54

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