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千代田区の街路樹伐採、同じ道路で保存と伐採の謎!?【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

身近な問題を取り上げるコーナー「噂の現場」では、東京都千代田区の街路樹伐採を取材しました。
車道を減らし、歩道を広げ、新たに自転車道を設けるという道路整備を進める区は、およそ200本のイチョウの街路樹を伐採する予定ですが、地域住民が強く反対しています。
しかも同じ道路内で、ある場所ではイチョウを残し、またある場所では伐採と、区の対応がチグハグなので住民は困惑しています。

千代田区はイチョウ並木の名所

千代田区はイチョウの名所です。
東京駅丸の内口のイチョウ並木は、秋になると黄金色に染まり、レンガ造りの駅舎と幻想的な景色を生みだします。
また皇居の近くには、関東大震災の大火に耐えた樹齢150年の「震災イチョウ」があります。
そして、共立女子大や博報堂旧本社ビルなど歴史的建造物が建ち並ぶ神田警察通りにある約200本のイチョウは、秋の風物詩として住民や学生などに親しまれてきましたが、区は伐採して桜に植え替える計画です。

場所によってチグハグな区の方針

6年前、神田警察通りの1期工事では、住民が伐採に反対し、結局、32本のイチョウを保存したまま道路が整備されましたが、一転、1期工事では伐採されることになったのです。
1期と同じように保存されるものと思っていた住民は驚きを隠せません。
一体なぜ、対応がチグハグなのか?
取材を進めていくと区の進め方の問題が浮上してきました。

伐採は、限られた人たちの意見を聞き千代田区が決定

イチョウの伐採は、区長が選んだ町会長など地域の功労者たち約20名で組織される沿道協議会で了承され区が決定していたのです。
しかも、その協議会には開発を行うデベロッパーも多数参加していました。協議会の委員たちは、イチョウの落ち葉や銀杏が迷惑だと言い、桜並木にかえて街に賑わいを呼びたいというのです。
反対住民は、限られた意見を聞いただけで伐採が決められているとして、区に対し住民など様々な人が参加できる拡大協議会の設置を求めています。

同じ区内の明大通りでは、拡大協議会が伐採を阻止

同じ区内にある明大通りでも、プラタナスの街路樹の伐採が計画されていましたが、反対住民の求めで拡大協議会が設置されました。
拡大協議会では、街路樹の専門家や障害がある方、住民などが6年に渡って協議を重ね、結果、プラタナスの街路樹は残されることになったのです。
神田警察通りの住民は、同じような拡大協議会で議論したいと言っています。

6年前の取材で区が口にした言葉の重み

実は、「噂の現場」では6年前、神田警察通り1期工事を取材しています。
その時、伐採から保存に方針を変えた区の担当者は、「今後は区民に対し丁寧に説明する努力をする」と言っていましたが、その言葉を忘れたかのように2期工事では住民に対し説明がされていないのです。
今後、「噂の現場」では、2期工事がどうなるのか?また、3期4期5期工事において区が住民とどう向き合うのか?に注目し、必要であれば続報をお届けします。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送日:2022年3月6日(日)午後1:00~1:54

▽BS-TBS「噂の!東京マガジン」 毎週日曜ひる1:00~1:54 放送中です。

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