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空を覆う9千羽!鳥の大群に千葉県市川市住民は困惑。なぜ人の生活圏を「カワウ」が侵食しているのか?【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

今、千葉県市川市行徳地区の住民は、爆発的に増えた野鳥・カワウの糞害に困っています。
カワウが棲み処にしているのは住宅地に隣接している「行徳近郊緑地」で、住民は千葉県などに対策を求めていますが、野鳥であるカワウは捕獲や殺傷することが法律で禁止されているので県も対策に苦労しています。
なぜカワウが増えたのか?
どうすれば糞の被害を減らすことができるのか?
最新の対策などを取材しました。


行徳近郊緑地とは?

行徳近郊緑地は、東京湾の埋め立てが進んだ高度経済成長期に渡り鳥などの野鳥や干潟の生物の棲み処を確保するために造られました。
そして昭和45年、千葉県は行徳近郊緑地を鳥獣保護区に指定。
東京ドーム18個分という広大な湿地と緑地には、ツグミやカモメ、ムクドリなど68種類の野鳥が生息しています。
その行徳近郊緑地で数年前からカワウが爆発的に増え、現在は8年前の5倍、約9000羽になっているといいます。

カワウとは?

野鳥のカワウを近くで見ると想像以上の大きさに驚きます。
体長80センチ体重2キロ、羽を広げると170センチにもなります。
食欲旺盛でカエルや小魚などを1日およそ500グラムも食べるので、その分糞の量も多いといいます。

カワウの糞害

約9000羽のカワウが棲みついているのは行徳近郊緑地の中でも住宅地に接した緑地部分や沿線の電線、それで住宅地が糞だらけになっているのです。
歩道はカワウの糞で真っ白に悪臭が漂い道行く人たちはハンカチで鼻を抑えながら通っていました。
繁殖期に入ると鳴き声にも悩まされるといいます。

カワウは捕獲できない

住民は対策を求めていますが、カワウが野鳥であるために対策が難しいといいます。
鳥獣保護管理法により捕獲、殺傷、卵の採取などが禁止されているのです。
しかも行徳近郊緑地は鳥獣保護区なので、いかなる場合でも狩猟などが禁じられています。

カワウは別の場所から来た?

カワウは東京都から移り住んだ可能性があるといいます。
1993年、都はカワウの糞害が酷かった浜離宮恩賜庭園でコロニーを2キロ離れた東京湾内にある無人の第6台場に誘導する対策を行いました。
その際、一部のカワウが行徳近郊緑地に飛来し繁殖したというのです。

千葉県の対策に期待

現在、千葉県は新たな対策に乗り出しています。
カワウのねぐらや営巣場所になっている緑地の樹木を伐採することで生息数の抑制を図っていくといいます。
また緑地内の住宅地から離れた場所にやぐらを増設しカワウの営巣場所を人の生活圏から遠い場所へ誘導することで周辺への被害の拡散を防止していくといいます。
8月下旬から始められている県の対策により糞害は減るのか?
今後にも注目したいと思います。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2024年9月29日(日)午後1:00~1:54

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