ドラマ「サワコ」田邊和也さんスペシャルインタビュー!役作りや俳優としての素顔に迫る。
毎週日曜よる11時から放送中の連続ドラマ「サワコ~それは、果てなき復讐」。いよいよ終盤へ!
前半の衝撃的ラストを受け、後半、復讐劇が新たな展開を見せています。
そのキーパーソンとも言えるのが、謎めいた週刊誌記者の槇原一臣。
彼はいったい何者なのか・・・?
11月13日(日)放送の第7話をご覧になった方は、既におわかりになっているかもしれませんが、まだの方はぜひ、見逃し配信で!
今回は、演じている田邊和也さんに、役作りや見どころ、さらに俳優の仕事について聞きました!
自分も間違いなくサワコの魅力にハマる!
――前半、サワコの狂気がエスカレートしていきました。もしご自身の前にサワコが現れたらどうですか?
いやー怖いですよ。怖い怖い(笑)。
まあでも、ああいう女性に男性が魅了されるのは、理解できる気もしますね。
今の僕なら、人生経験も含めて「この人ちょっと何かあるかもな」と距離を置け…いや、すいません、カッコつけました!
37歳の今も、曽田君演じる健介みたいにまっしぐらになるかも(笑)。
美しいものは危ないとわかっていても、それにハマって、自分の中にある影や欲求を引っ張り出されてしまうかもしれませんね。
――演じている槇原は謎めいていますが、役作りはどのように?
今回は「どう演じるか」よりも「どういう人か」ということをすごく考えました。
槇原はどういう生活をしていて、どんな目で、人と話す時の距離感はどうか、など・・・。
タバコをめちゃくちゃ吸っていてしゃがれ声になってしまっている人だと思ったので、そのイメージで演じてみたら、滝本監督に「ハードボイルド過ぎる」と言われました。
監督はまず役者に自由に芝居をさせてくれて、それを見た後に、いろいろな言葉を投げかけてくれるんです。
その言葉がどれも僕の中にスーッと入ってくるんですよね。
それは監督自身が考えに考えて出された答えを、僕に投げているからだと思いますし、その演出を信じてやっています。
ドラマを見てくださる方に槇原が何らかのインパクトを与えられているとしたら、監督のおかげです。
このドラマは、全キャラクターが何かしら腹に一物を抱えています。
槇原も6話、7話ぐらいから彼の本質が見えてくる。
僕の容姿も相まって、「槇原ってどういうやつなの?」と見ている人が想像を膨らませてくれたらうれしいです。
――このドラマの世界観をどう感じていますか?
今、ぱっと浮かぶのは「あなたのそばにも・・・」という感じです。
心理的な怖さがすごくありますね。
ノンフィクションのようでもあり、歯車がずれた瞬間に実際に起こりうるストーリーだと思います。
人生どう転ぶか分からない中で「自分の中にもこういう要素はあるかもな」と見ている人も感じているかもしれません。
どの登場人物に共感するかは人それぞれだと思いますが、僕の場合は全キャラクターに共感できますね(笑)。
どのエッセンスも少しずつ持っているので。
ラストに向け、ストーリーが急展開!
――撮影現場の雰囲気はいかがですか?
主演の趣里さん、そして深川さんが周りにとても気を配って盛り上げてくださるので、作品の内容とは真逆でとても和気藹々とした雰囲気ですよ。
僕も純粋に現場を楽しめています。
お二人とも本当に素敵な女優さんです。
撮影初日に向き合った瞬間から、趣里さんがサワコで、深川さんがマチカであるということを自然に受け入れることができました。
庄司君はまっすぐな性格で、監督に言われたことを失敗を恐れずにどんどんやっていく。勇気があってしっかりした若者という印象です。
僕が22歳の頃はもっと荒削りでしたから(笑)。
――登場人物それぞれのネガティブな部分も描かれていますが、ご自身にも闇の部分はありますか? 田邊さんはチャレンジ精神旺盛でポジティブな印象ですが・・・。
闇しかないです(笑)。
例えば、楽観的に「やりたいからやっちゃえ!」というタイプの方がいたとしたら、僕はその逆で、自分に自信がなくて不安だから行動しなきゃというタイプ。
「準備しなきゃ」とか「公言したからにはやらなくちゃ」とか。
自分に自信がないからこそ、さまざまなことに挑戦し続けています。
でも、今は自分がどうということよりも役者としてやらなきゃいけないことを目標に、ただただ精進していこうという気持ちです。
――ドラマも後半です。槇原の注目ポイントは?
槇原がマチカたちを執拗に追っている理由がわかってくる点ですね。
彼の行動はこの作品の後半戦の重要なフックであり、そこから槇原とマチカ、サワコの関係も展開していくので。
詳しくは言えませんが、ぜひご注目いただきたいです。後半は散りばめられた点と点がつながりながら、ラストまでグッと加速していきます!
仕事の原動力は「悔しさ」と「怒り」、そして「感謝」
田邊さんのキャリアについても伺いました。
21歳で単身韓国に渡り、韓国映画で俳優デビュー。
その後、カナダ、日本で演技や英語を学びながら俳優として活躍し、2018年からはハリウッド映画にも出演しています。
――ハリウッド進出を目指したのはいつ頃からですか?
真剣にハリウッドを目指したのは21歳の時です。
洋画にハマっていて、英語でお芝居をしたいという思いが漠然とありました。
だけどその頃に、バイク事故で大ケガをしてしまったんです。
幸い一命を取り留めて退院した時に、やりたいことは今やらなきゃダメだと思いました。
そこからお金を貯めて、韓国やカナダに行き、英語や演技の勉強をして、さまざまな国の人たちとモノづくりを経験しました。
だから今は、英語の台本をもらっても、共演者が外国の方たちでも動じることはなくなりました。
今後、日本の素晴らしい作品が世界を席巻するようになって欲しいですし、その時は、自分がその一部になれたらいいなと思っています。
――俳優を続ける原動力になっているものは何ですか?
最初は俳優になりたいという強い思いだけで、この世界に飛び込みました。
でも一度行動を起こすと、不思議なことに必ずいい出会いがあるんです。
その人たちとの出会いがあったから辞めずにすんでいるというのが大きいかもしれません。
継続するって、自分の意思や努力だけでは難しいですよね。
誰かに助けられたり、お仕事をいただいたからには期待に応えなきゃという責任感が力を与えてくれたりしますから。
それと、僕の場合は根源に「悔しさ」や「怒り」があります。
オーディションに落ちたり、若手の頃に仕事に呼ばれても悔しい対応を受けたりして「今に見とけよ!」って。
悔しさと怒りが原動力の一つになっています。
――キャリアを重ねた今はいかがですか?
年齢のおかげかもしれませんが、人への感謝とか、ファンがいてくれる大切さをしみじみ感じる最近です。
今まではファンのためというより、自分自身が何かを表現したいというのがまずありましたから。
でも、コロナ禍の緊急事態宣言で表現する場がなくなり、「こういう世の中において役者ってあまりにも無力だ。」と僕は思ってしまって。
「社会に必要な仕事ではないよな。」と無力さを痛感し、違う道もあるのかなとも考えました。もともとマネージャーからも「考えすぎだよ」とよく言われるんですが(笑)。
そんな時に、僕の出演作を見てくださった方の「元気をもらった」「次の作品を楽しみに待っています」というメッセージを目にしました。
心に沁みましたね。
僕にとって演技は見るのもするのも仕事ですが、エンターテインメントは本来楽しむもの。
やっている自分がそれを忘れていたことに気づかされました。それで「考え過ぎて悩むより、自分も楽しもう」と。
自分が楽しんでいれば現場にいるスタッフや演者、そして見てくださる人にも伝わりますから。
――俳優業以外に、絵画や写真撮影、芸術鑑賞なども積極的にされていますね。
どれも好きですね。
というか、すべての職業に興味があります。
漁師や医療関係者、ギャラリーのキュレーター、会社員などいろいろな職業の友達がいますが、みんなその道のプロフェッショナルなので、その仕事姿を見ていると自分もそれを体感してみたくなってしまうんです。
だから一人旅をして、いろいろな職業の人に話しかけています(笑)。
職業自体というよりも、その職に就いているのはどんな人なんだろうと興味があるんだと思います。
自分自身、凝り固まりたくないし、感性も豊かでいたい。自分以外の人間を知ることは役者の仕事にも必ず生きると思います。
まぁ、要は昔から人と話すのが好きなだけかもしれませんけど(笑)。
インタビュー・文:鈴木かおり(フリーライター)
■田邊和也さん 公式ホームページ
■ドラマ「サワコ~それは、果てなき復讐」
毎週日曜よる11:00~11:54放送
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