歓迎?迷惑?どうするインスタ映え観光地の撮影ルール【噂の!東京マガジン「噂の現場」】
新型コロナの位置づけが、5月8日でインフルエンザなどと同じ「5類」に引き下げられ、これまでにあった、外出自粛の要請がなくなりました。
そんな中、各地の観光地で、写真を撮る観光客のトラブルが多発しています。
歓迎したい観光業者と、行動を規制したい地元住民とで、意見が分かれているようです。
富士山&レトロな商店街 両方を撮影するため車道に出る外国人観光客
山梨と静岡の県境に位置する、富士山の麓の町、富士吉田市。
こちらでは、昨年末ごろから、レトロな商店街と富士山を一緒に写すため、車道に出て撮影する外国人観光客が問題になっています。
現場は、下吉田駅付近から富士山の方向に続く商店街「本町(ほんちょう)通り」の、およそ1.2キロの区間。
中にはクラクションが鳴ろうが、背後から車が近づこうが、お構いなしの人も……。
近隣住民・観光業者・市 観光客の規制に対し温度差
この状況に近隣住民からは、撮影について、市が明確なルールを作ったらどうか、安全な撮影スポットを市が用意してほしいなど、規制を求める声が挙がっています。
一方で観光客相手の商店などは、コロナ禍に一角がシャッター通りになって苦労したこともあり、外国人観光客で戻りつつある賑わいを、さらに盛り上げていきたいという声が……。
そして市は、今年2月から、本町通り入口の交差点に、警備員1人を配置。
また町の至る所に、注意喚起を促すポスターを設置。
急な飛び出しは減ったといいますが、警備員の目が届かない、およそ200m離れた横断歩道付近では、道路にはみ出しての撮影が、特に横行しています。
適切な対策は模索中のようです。
「インスタ映え観光地」の撮影ルール 千葉・袖ヶ浦市の場合
千葉県・袖ヶ浦市。
およそ100本のヤシの木が立ち並ぶ光景が、アメリカ西海岸を思わせることから「千葉フォルニア」と呼ばれている海岸沿いの道路。
こちらでは以前からヤシの木をバックに愛車を撮影するための危険な飛び出しや、無謀運転が横行していたました。
そこで袖ヶ浦市は去年3月、ヤシの木に黄色いテープぐるぐる巻き、「撮影禁止」の文字を提示。
これにより迷惑行為は減りましたが、住民からは「千葉フォル二アの魅力も
減ってしまい残念」という声も聞かれました。
「インスタ映え観光地」の撮影ルール 北海道・美瑛町の場合
北海道のほぼ中央に位置する、美瑛町(びえいちょう)。
この町では、山間に広がる畑でさまざまな種類の作物を育てているため、畑の色が、季節ごとに変わります。
その風景は「パッチワークの丘」と呼ばれ、観光客に長年人気を呼んできました。
ただし、その畑を写真に撮ろうと、付近の農家の敷地に入る観光客が後を絶たず、問題に……。
しかし町は、あえて撮影を規制せず、電柱の位置ずらすなどして、観光客が農家の敷地などに入らず、より撮影しやすくなるような対策を実行しました。
その結果、撮影トラブルは減少。
ただしさらに人気となったため、今度は観光客の大規模な渋滞が発生する事態に……。
町は、今後もよりよい状態を目指して、試行錯誤を続けるといいます。
賑わいが戻る今後 地域ごとのオーバーツーリズム対策を
町の需要を超える観光客が訪れることで発生する混乱、いわゆる「オーバーツーリズム」は、今後、全国で起こりうる問題です。
経済的効果は無視できない、しかし事故は未然に防がなくてはならない……。
土地ごとに状況や事情が異なるからこそ、最も適切な線引きを、行政と住民が試行錯誤しながら探すべきではないでしょうか。
文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2023年4月30日(日)午後1:00~1:54
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