脱サラして鳥獣被害と向き合う移住者【噂の!東京マガジン「噂のあの人」】
今回の「噂のあの人」は、埼玉県飯能市に移住した家族5人のお父さんです。
憧れていた田舎暮らしを始めたサラリーマンが、あることをきっかけに農業被害をもたらす有害動物を駆除するハンターに転身し始めた命の利活用。
そこには、動物の命を無駄にしたくないという強い思いがありました。
駆除したシカが捨てられていた
遠藤さん一家は、都内まで車で1時間ちょっととアクセスが良く、移住支援の制度もある飯能市に7年前に移住しました。
当初はそれまでと同じ、都内の会社に車で通勤するサラリーマンでしたが、何か地域に貢献したいと、農家を苦しめているシカの駆除を手伝ったところ、衝撃的な事実を知ったといいます。
それは、シカとイノシシ合わせて年間400頭ほど、捕獲されている野生動物のほとんどがゴミのごとく捨てられているという現実でした。
動物が好きな遠藤さんは、年間4000万円もの農業被害がある以上、駆除は仕方がないが、命を無駄にしているのは申し訳ないと考え、シカの命の利活用を始めることにしたのです。
シカの命の利活用とは?
遠藤さんはワナでシカを捕獲するワナ猟師。
生きたまま捕獲し、痛みを最小限に殺処分します。
そんな遠藤さんが3年前から始めた命の利活用が、ペットの犬用に作った鹿ジャーキー。
ネットで販売していますが、シカ肉は高たんぱくで低脂質なので、犬にヘルシーだと好評です。
さらに2年前、清流の横にある空き店舗を妻と二人で改装し、ドッグカフェもオープン。
将来的には、飼い主と愛犬がシカなどのジビエを食べることができるカフェにしたいといいます。
そして去年、人が食べられるようにシカをジビエにするための加工場も作りました。
弟子入りした25歳の女性
命の利活用のシステムは出来つつありますが、1人では限界があります。
遠藤さんは手伝ってくれる仲間を増やすことを目標にしていますが、数年前、浦和市から25歳の女性ハンターが弟子入りしてきたのです。
登山と狩猟を趣味にしてきた彼女は、すでに猟銃とワナ猟師の免許を取得していて、現在はワナの仕掛け方などを遠藤さんから教えてもらっています。
狩猟では生計が立てられない
遠藤さんは、去年サラリーマンをやめ、飯能での仕事に専念することにしましたが、生活は楽ではないといいます。
シカを駆除すると埼玉県から報酬が出ますが、それは1頭1万円以下で、捕獲できる数も月に数頭なので数万円にしかならないのです。
ジャーキーを作ったりカフェをやったりしていますが、それでも収入はサラリーマンの時に比べ大きく減ったといいます。
また25歳の女性ハンターも狩猟だけでは食べていけないということで、イラストを描いたり養鶏場や飲食店でアルバイトをしています。
ハンターを増やすためには、収入をどう増やすかというのが大きな課題なのです。
週末、兼業ハンター構想
遠藤さんは、サラリーマンなどとの兼業ハンターを増やしたいと考えています。
都内から近い飯能であれば、週末だけ飯能で狩猟を行うことも可能だというのです。
そして、 市内に多い空き家を兼業ハンターたちの宿泊先にすることで、街を活性化したいといいます。
脱サラハンター遠藤さんの挑戦はどうなるのか?
今後にも注目です。
文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2024年3月31日(日)午後1:00~1:54
▽遠藤さんの活動についてはこちらのnoteにも掲載されています。
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