どこを走ればいいの?自転車取締り強化に困惑【噂の!東京マガジン「噂の現場」】
昨年11月、警視庁は自転車の事故が増えていることを受け、自転車による交通違反の取締りを強化しました。
すると利用者の多くから困惑する声があがったのです。
なぜなのか?
取材を進めると自転車の交通ルールが今の道路事情などに合っていないことなどが分かってきました。
改定された自転車安全利用五則
マナーの悪い自転車利用者が多く、その無謀な運転が事故に結びついていることは紛れもない事実です。
そこで去年11月、国は自転車安全利用五則を改定しました。
① 「車道が原則、左側を通行」
自転車は道路交通法上、軽車両と位置付けられているので原則、車道の左側通行。
しかし、例外として「普通自転車歩道通行可」の標識がある歩道であれば、歩行者優先で徐行すれば通行できます。
また、歩道通行可の標識が無い歩道でも13歳未満の子供や70歳以上の高齢者は歩行者優先で徐行すれば通行できます。
② 「交差点では信号と一時停止を守って、安全運転」
③ 「夜間はライト点灯」
④ 「飲酒運転は禁止」。
この①~④に関しては違反すれば違反金などが科されます。
⑤ 「ヘルメットを着用」
ヘルメット着用は今年4月から全ての利用者に対し努力義務となります。
この安全利用五則について自転車利用者の多くから、①と⑤について不満の声が上がっています。
⑤のヘルメットに関しては、「持ち歩くのが大変」や「髪が乱れる」といった不満を訴えていますが、命を守るという点で考えれば、ヘルメットの着用は必要なので努力してもらいたいと思います。
「① 車道が原則、左側通行」に利用者から不満が噴出
① の「車道が原則、左側通行」について街で聞いてみると、「知らない」または「知ってはいるが現実的じゃない」という声が数多く聞かれました。
日頃から安全運転を心がけているという自転車利用者の中からは「狭い車道の左端を走るのは怖い」「駐停車している車が多く走りたくても走れない」「駐停車中の車をよけるために中央線の方へ膨らまなければならないので怖い」という声が多く聞かれ、またママたちからは「幼い子供を乗せている時に車道を走るのは怖い」といった声があがっていました。
自転車問題の専門家は、道路状況などにより結果、歩道を通行することになっている利用者も多く、取締り強化には不条理を感じているはずと話します。
また日本在住のアメリカ人自転車愛好家は「日本でもインフラ整備は少し進んだが、まだまだ欧米に比べると遅れていて自転車が安全に通行できるレベルではない」と指摘します。
交通ルールの周知も不足
また、自転車利用者に対する交通ルールの周知にも問題があるようです。
東京都や23区などの自治体は小中学生向けの講習会を定期的に開催していますが、大人向けの講習会を開催している自治体は限られています。
ということで自動車の運転免許証を持っていない自転車利用者については強制的に交通ルールを学ぶ機会が無いのです。
そして、学ぶ機会があっても積極的ではないようなのです。
ある大手自転車販売チェーンでは数年前から購入者に対し講習会への参加を呼び掛けてきました。
これまで200回募集したそうですが、開催できたのはたった20回。
参加者希望者が極端に少ないです。
解決の道はインフラ整備と交通ルールの周知
コロナ禍に加えSDGsへの意識の高まりなどで今後も自転車の利用者は増えていくと思われます。
そのスピードに交通ルールの周知と自転車専用道路などのインフラ整備が追い付いていないというのが現状のようです。
そんな中、自転車利用者が自分と他人を傷つけないために求められているのは周囲を気遣う安全運転ではないでしょうか。
噂の現場は、この先も続く自転車問題に注目していきます。
文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2023年1月15日(日)午後1:00~1:54
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