これでは税金がPar(パー)!? 成田市 パークゴルフ場問題【噂の!東京マガジン「噂の現場」】
千葉県成田市で市がパークゴルフ場の建設を計画。
住民から反対の声が挙がっています。
成田市はなぜ、税金を使ってゴルフ場を作るのか。
そしてそもそも、パークゴルフとはどんなものなのか。
森本毅郎さんに次いで、東京マガジンでゴルフの腕前ナンバー2(自称)の清水国明さんが、詳しく取材しました。
軽い・短い・早い・安い…パークゴルフとは?
重さ10キログラムのゴルフバックを自宅から持参してきた清水さん。
やってきたのは、成田市のお隣白井市で民間企業が経営する「遊楽パークゴルフ場」。
ところが、パークゴルフで使用するのは、専用のクラブ1本とボール1個だけ。
これらはパークゴルフ場で借りることも可能。
コースは長くても100m以内。カップの大きさは普通のゴルフの倍で、初心者でもホールインワンが狙えるそうです。
1セット9ホールが基本で30分程度で回れ、1日遊んでも1000円の安さ。
ゴルフに比べて何かと手軽なことから、高齢者に愛好家が多く、週4~5回通う人もいるそうです。
住民がパークゴルフ場の建設に反対する理由
成田市は、市内の小学校跡地にパークゴルフ場を計画。
しかし住民は、市内にすでに2か所、市が造ったパークゴルフ場があることから建設に反対。
また、そのうちの1つの既存施設の建設費が9ホールで約6200万円であったのに対し、計画中の施設は36ホールで約8億6500万円。
その他に駐車場、休憩施設、体育館なども合わせると建設費は18億円以上ときわめて高額なことから、住民はなぜこんな大規模な施設をと疑問を抱いています。
また、市が近隣住民以外に説明会などを行うことなくこれらの計画を進めていることについても怒っています。
対して市は、建築資材が高騰していることなどから金額は妥当なものだと説明しています。
住民のさらなる怒り 香取市からショッキングなニュースが…
成田市の既存パークゴルフ場には、それぞれ年間約2650万円、約1520万円の運営費がかかり、それらは市の税金で賄われています。
住民は計画中の施設の年間運営費も明らかにしてほしいと求めていますが、市はその要求に応えていません。
一方、隣の香取市では、キャンプ場やバーベキュー施設も併設されたパークゴルフ場が来月オープン予定。
建設費は香取市が負担するものの、その後は民間企業が維持管理。
その費用は利用料などの収入から捻出するため、市から税金の投入はないといいます。
反対住民は、さまざまな施設が併設された香取市のパークゴルフ場のほうが魅力的であり、開設後に税金の投入がない独立採算制であることから、成田市の計画にますます疑問を抱いています。
なぜパークゴルフ? なぜ税金投入? 成田市の見解は
成田市は番組の取材に対し、パークゴルフ場を計画した理由は地域の賑わいのため、また既存施設より大規模なのはスポーツツーリズムの考えに基づき全国から人を呼ぶためと回答。
パークゴルフ場にしたのは複数のパークゴルフ関連団体から要望があったためとも回答しました。
また香取市のパークゴルフ場との比較では、アクセスは成田市の方がよく、独立採算制にしないのは利用料が高くならないようにするため、とのことでした。
また住民には金額を明かしていなかった、計画中のパークゴルフ場の年間運営費を約6~7000万円と回答しました。
数字については、既存施設をもとに市役所内の建設工事の事業部が行った現状での試算としています。
成田市は、市民全体に計画の是非を問うべきでは
建設費に8億円以上、さらに年間運営費に今後毎年6~7000万円もの税金が投入される予定の大事業。
これをパブリックコメントの募集や近隣以外の市民に対して説明会の実施もないまま進めていいものなのでしょうか。
空港があることから財政的に余裕があるのかもしれないですが、今回番組の取材にしっかり答えてくれたように、成田市は市民にもしっかり説明を行い改めて声を聞くべきではないでしょうか。
文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送日時:2022年9月4日(日)午後1:00~1:54
▽BS-TBS「噂の!東京マガジン」 毎週日曜ひる1:00~1:54 放送中です。
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