本当に必要なのか?町田市 美術館の隣に美術館【噂の!東京マガジン「噂の現場」】
町田市在住の方から番組にメールをいただきました。
その主な内容は…
というもの。
総額40億円をかけて、なぜ美術館の隣に美術館を建設するのか。
そして、住民が親しんできた、美術館の中の工房、版画工房をあえて外に作り直す理由とは…
美術館の隣に美術館 美術館の中に生活道路
駅から歩いて15分の町田市立芹が谷公園は、東京ドームおよそ3個分の広さ。
この公園内にある、国内唯一の版画中心の美術館が、町田市立国際版画美術館。
葛飾北斎ほか、2階展示室には貴重な版画作品を3万点以上収蔵。
1階エントランス近くには、創作が体験できる版画工房があるのが特徴です。
町田市はこの版画美術館の隣の斜面地に、新しい美術館を建設。
これは「パークミュージアム」という市の公園再整備の一環。
また数年前に閉館した、町田市立博物館のガラスや陶磁器など所蔵美術品を市民に展示するための美術館でもある、とのこと。
また新しい美術館に加え、二つの美術館の間にエレベーターを設置。
さらに版画美術館の中にある版画工房を移設して通路や広場を造り、二つの美術館を行き来できるようにします。
版画工房の移設も含め、建設費は40億円ほどだといいます。
公園と美術館を利用してきた住民 計画反対の理由
しかし、住民はさまざまな理由で町田市の計画に反対しています。
まず新たな美術館が斜面地に建設されることで450本もの樹木が伐採されること。
美術館の中にある版画工房を外に建て直すのに8億円など、合計40億円もの税金が投入されること。
また館内からの景観を意識した元設計者の意向を無視し、エレベーターの設置を計画したこと。
美術館内を日常的に行き来できる生活道路として計画し、美術館内の良質な空間が損なわれること。
そして美術館の中にある版画工房をわざわざ外に造り直すことで、芸術鑑賞と創作活動の結びつきが断ち切られ、版画工房本来の良さが失われること。
さらに、町田市がこれら多数の住民の意見を聞くプロセスを経ずに計画を進めていることに不満を抱いているといいます。
町田市の見解
住民のさまざまな疑問に対する町田市の見解は…
まず版画工房を壊して移転する理由は、切り離すのではなく、版画の他、ガラスや陶器の創作も体験できる、より多目的な工房を再整備する、とのことでした。
また斜面に建てる理由は、平地は来園者に利用してもらうため。
この点について専門家は土砂崩れの不安を指摘しましたが、市は「ボーリング調査を行い、建物や敷地の安全性についての検討を行ったうえで、現在の計画を進めております」と回答しました。
誰のための公園 誰のための美術館なのか
公園の中で美術館や公園の自然を楽しむ、さまざまな創作も体験できる…「パークミュージアム」という構想は素晴らしいものです。
しかし傾斜地の樹木を数多く伐採し、美術館の中を生活道路にするなど、皮肉にも「パーク」や「ミュージアム」を痛めつけている面もあるのではないでしょうか。
また実際に公園や美術館を愛好してきた人の気持を汲めていない部分があるのではないでしょうか。
市には、美術館や版画工房を愛する人が納得できる対応を、していただきたいと思います。
文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2022年11月6日(日)午後1:00~1:54
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