耕作放棄地の再生に奮闘する若者たち【噂の!東京マガジン「噂のあの人」】
今、農家の高齢化などにより全国で耕作放棄地が増えています。
今回の「噂のあの人」は、神奈川県小田原市で耕作放棄地の再生に挑戦している若い女性とその仲間たちです。
デジタルツールを使いこなすZ世代である彼らが、新たな出会いと繋がりを活かして農業を変えようとしている姿を追いました。
果実農園に挑戦している槇さん
3年前、日本女子大を卒業した槇紗加さんは、大学生の時、生き生きと農作業をしている80歳の農家の男性と出会い、農業に興味を持つようになりました。
そしてネットなどで農業について調べたところ、耕作放棄地が増えていることを知り、卒業後、耕作放棄地の再生を手掛けることにしたのです。
神奈川県相模原市に住んでいた槇さんは、去年5月、同じ県内の小田原市にある柑橘類の果実園だった耕作放棄地を借り、たった一人で農園を始めました。
4か所に分かれている耕作放棄地は合わせて約7千平方メートル。
しばらく誰も手入れをしていなかったので荒れ放題でした。
現在は、ぼうぼうに生えている雑草を刈ったり雑木を伐採して柑橘類が良く育つ農園に再生しようとしています。
そして、そんな槇さんの活動に賛同する協力者たちが力を貸してくれています。
槇さんの師匠である若き農園主
協力者の一人は、槇さんが卒業後、弟子入りし2年間みっちり農作業と農園運営のノウハウを学んだ地元のみかん農園の矢郷さんです。
矢郷さんは10年前、奥さんの実家であるみかん農園の後を継ぐことになり、飲食業界から農業へと転職。
自分で育てた農作物を自分で売り込むという新しい農園経営を行っています。
今、矢郷さんの農園には、槇さんと同じような考えを持った数名の若者たちが独立を目指して修行しています。
同じZ世代の協力者
槇さんは、まだ農園の収入だけでは生活できないので、学生の頃からやっていた企業マーケティング支援を副業としてやっています。
そんな槇さんにとって、傷がついたことなどで出荷できずに破棄してしまうことも多い規格外品をどうするかも課題でしたが、それを買ってくれる人が現れたのです。
それが同じZ世代である岸はつみさん。
岸さんは、東京の代官山にある青果店の店長をしていますが、副業で規格外品の野菜や果物の加工・販売を手掛けています。
SNSで槇さんの農園のことを知り、直接会って規格外品を買い取ることにしました。
岸さんは槇さんの規格外品の柑橘類を千葉県野田市の牧場に持ち込み加工品にしています。
その牧場にはコロナ禍、余った生乳を捨てなければならなかったという苦い経験があり、現在は生乳を無駄にしないためにアイスクリームを製造しているのです。
岸さんは、そんな牧場と槇さんを繋ぎ、生乳も規格外品の柑橘類も無駄にしないアイスクリームを作っています。
農業を変えるかもしれない若者たちの挑戦を支えていたのは、違ったスキルを持った人と人の繋がりでした。
文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2024年6月16日(日)午後1:00~1:54
BS-TBS「噂の!東京マガジン」
毎週日曜ひる1:00~1:54 放送中
▽TVer 無料見逃し配信中
この記事の放送回は2024年6月24日(月)ひる12:00までTVerでご覧いただけます。
「お気に入り登録」もお願いします!
▽「やって!TRY」公式YouTube
▽「噂の!東京マガジン」公式インスタグラム
こちらでもレシピを公開しています
▽「噂の!東京マガジン」ホームページ