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なぜ直さず放置?このままでいいのか!危険な橋のナゾ【噂の!東京マガジン「噂の現場」】

全国には、修理されないために通行できず、近隣住民が困っている橋が多数あります。
それらの橋を、自治体はなぜ直さないのか?
その状況を改善するために、国が始めた新たな対策とは?
さまざまな橋の実態を、取材しました。

全国に359も!緊急に措置をすべきなのに、手つかずの橋

2012年の笹子トンネルの事故以降、国は橋や道路、トンネルなどインフラの点検を自治体に義務づけています。
その調査結果をまとめた「損傷マップ」によると、健全性が最低レベルの「緊急に措置を講ずべき」橋は全国に659あり、うち343もの橋がまったく修理をしていない、未着手であることが判明しました。

修理されないまま3年半通行止め…あきる野市・網代橋の現状

東京あきる野市の網代橋は、2019年の台風19号で橋げたと橋脚の間にすき間ができ、通行不可能の状態に。しかし3年半経っても修理されず、住民は駅や学校に遠回りを続けています。う回路は交通量が多く、小規模な土砂崩れも多発しているため、
住民は網代橋の修理を希望し続けています。

網代橋はなぜ直されないのか さまざまな声と市の回答

ではなぜ網代橋は修理されないままなのか?
住民や隣町の議員によると、市と橋のたもとの土地所有者の間でなんらかの行き違いがあったとのことですが、当の土地所有者は口を閉ざしたまま。
また市の回答は、「現在、地域との話し合いを進めており、周辺道路の状況(橋の利用状況や交通量)を考慮し、検討を進めているため、今後の予定などは未定となっております」とのことでした。

直さず放置の橋を減らすため…国が始めた“橋の集約化”

千葉県市原市の干拓橋は、老朽化が進み、18年間通行止めが続いていたものの、市内に500もの橋があり、他の橋の修繕が優先されていたため、修理も撤去もされない状態でした。
しかし国が始めた補助金の制度を活用し、2025年度に撤去することになりました。
国が2020年度から始めた制度とは「道路メンテナンス事業補助制度」。
国は、必要な橋を残し、不要な橋の撤去を決めた自治体に補助金を出す“橋の集約化”を始めたのです。

一方で、国の集約化を歓迎しない地域も

茨城県高萩市の菖蒲橋。老朽化で崩落が起き、6年前から通行止めになっているこの橋を、市は国の制度を活用し撤去することを検討しています。
しかし畑への道として必要とする農家など、周辺住民は架け替えや修理を希望しており、結論は出ていません。
住民は橋が撤去されることで、地域が過疎化してしまうことを恐れています。

橋の集約化 地域ごとに慎重な検討が必要では

橋、道路、トンネルなどのインフラは、すべて修繕・維持していくことは不可能です。
その意味では、集約化は妥当な方向性と思われます。
しかし地域ごとの事情について慎重に検討しないと、メリットよりデメリットが大きくなる場合もあるのではないでしょうか。
不要な橋を無くし、その分、必要な橋の維持に充てる。
的確な調査と施策が必要ではないでしょうか。

文:BS-TBS「噂の!東京マガジン」取材チーム
放送:2023年4月2日(日)午後1:00~1:54

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