異業種からの挑戦。ドラマ・紀行番組プロデューサーへ。【BS-TBSを知る一問一答】
現在、株式会社BS-TBSの制作部にてドラマや紀行番組のプロデューサーとして活躍している有我 健(ありが たけし)。しかし以前の経歴は、2007年に広告会社に入社、主に新聞や雑誌媒体、WEB媒体等の広告営業を行う営業職と全く違う職種に携わっていました。
転機となったのは2013年。全くの異業種である株式会社BS-TBSに入社。
はじめに配属された営業部には4年5ヶ月在籍し、その後2017年に編成部に異動。そして直近2022年には制作部へ異動し現在に至ります。
2007年には想像し得なかったであろう、現在の職種にたどり着くまでの経緯や想いなどを語ってもらいました。
Q.前職から転職したきっかけを教えてください。
有我:「前職から転職したのは29歳の時でした。徐々に周りにいる30歳前後の先輩方が転職をしだしたのがきっかけで、転職について考えるようになりました。その時の仕事が良いとか悪いとかではなく、周りの影響ですね。」
Q.そんな中で、この業界を選んだ理由を教えてください。
有我:「特に放送局に入りたかったというわけではなく、前職が新聞などの紙媒体やWEB媒体などを扱う広告会社だったのですが、映像だけはなかなか携わる機会がありませんでした。せっかく広告の仕事をしているなら、主要なマス媒体に一通り携われたらなという思いがあり、映像に携わる仕事をしてみたいと思ったのがきっかけです。」
Q.BS-TBSを選んだ決め手は何でしたか?
有我:「当時、BS放送は勢いがあり、先々への期待感がありました。あとは前職の営業経験を活かせる部分もあるのではないか、というところと、アットホームな雰囲気の会社と感じたところもポイントでした。」
Q.入社してから感じたギャップはありましたか?
有我:「はい。前職は定時勤務がベースで、多少の残業がある程度でした。収録の立会いなどで朝が早かったり、夜が遅かったり、更に会食もあったりと、入社した直後は、やっていけるのかな?と思うほど、文化の違いを感じた記憶があります。1年くらい経った頃には、生活リズムが掴めた気がします。」
Q.在籍歴は、他の社員と比べて長い方なのでしょうか?
有我:「私は約10年在籍しています。その当時から今もなお一緒に働いている方はたくさんいます。ここ数年は特に、新卒採用やキャリア採用で入社された方も増えています。TBSテレビをはじめグループ会社から出向で来ている方や派遣社員の方など、多様な雇用形態の方が、BS-TBSの中で一緒に働いていますので、新しく入社される方も、馴染みやすい環境だと思います。
みんな仕事を楽しく和気あいあいと取り組んでいるように感じます。」
Q.異業種からの転職で苦労したところは、業務的な面でもありましたか?
有我:「テレビという特殊な仕事は、全てが新しいことでした。新しいことをやるので、ストレスのかかるようなことも当然ありました。BS各局のタイムテーブルを覚えることには苦労しました。」
Q.営業部から、編成や制作系への部署異動は希望だったのですか?どのような流れで、コンテンツを作りたいと思うようになったのですか?
有我:「はい、希望しました。運よく希望が通り、編成への異動が叶いました。
営業をやっている中で、コンテンツを売ることはできても、どのように生み出され、作られ、どう発信されるのかという、内部の仕組みが全く分かっていないということを感じていました。
そこで、放送局の”内側の業務を経験したい”なと。その根幹は編成なので、編成に希望を出しました。その後、編成を約5年経験し、今度は実際に作る側を経験したいと思い、制作部への異動を希望しました。」
Q.今は具体的にどんなお仕事をしていますか?面白みや、やりがいを感じますか?
「制作会社の方などと一緒にコンテンツのプロデュース業務などを行っています。
今は、ドラマや一般のバラエティ番組、教養番組、紀行番組など複数を担当しています。一般的に、放送日ギリギリまで仕上げの作業が発生します。例えば1週間ぐらい前にナレーション録り、最終的なVTRのチェックがあり、そこから遡ること数日前に、スタジオ収録やロケ。さらにそこから遡ること数週間前に、台本のチェックがあり、実際スタジオ撮影の時は、ああしよう、こうしようとか直前まで修正を重ねながら、制作会社の方と協力してコンテンツを作っています。
ドラマに関しては、BS-TBSでは今年、約11年ぶりに連続ドラマを制作し、私は10月クールの「サワコ~それは、果てなき復讐」を担当しています。ドラマは1年以上前から準備に取り掛かかることが多いと思いますが、今回初めてやって感じたのは、やっぱり脚本の難しさですね。それは、誰にどういうセリフを言ってもらうとか、そもそも面白いかどうかとか、実際には存在しない人の心情を想像して、思いを張り巡らされて妄想していくので、当然、正解もないですし、難しいです。「サワコ」は漫画原作ですが、特に後半はオリジナルストーリーで、面白い作品に仕上がっていると思います。
バラエティでもドラマでも、苦労することが多く、とくかく経験を重ねていくしかないと思っていますが、放送や配信、SNS上で、自分たちが作り上げたコンテンツが世に出て、良くも悪くも反応が見えることは面白いですし、やりがいを感じています。」
Q.新しいコンテンツを作る時、情報収集の方法を教えてください。
有我:「新しい場所に行くとか、新しいものを見るとかです。SNSでも、普段見ないような方のSNSを見るなどでしょうか。
たいしたことではないのですが、常にアンテナを張っていないと、新しい情報がどんどん出てきて追いつかなくなってしまいますから。」
Q.働く人たちの魅力やエピソードなどはありますか?
有我:「本当にみんな人間的に魅力がある方が多いですね。先輩・後輩に関係なくフラットに話ができる環境で、一緒に仕事するのが楽しいっていうのはあります。」
Q.BS-TBSはどの様な人が多いですか?
有我:「そうですね、制作は多様な方々が集う個人商店のようだなと思います。個性ある方々はいい意味で、こだわりがありますよね。ドラマ、バラエティ、スポーツ、報道など特定の分野にすごく長けている個性豊かな方は多いかもしれません。
また、それぞれを尊重し合っている人が多いと思います。」
Q.逆に尖っているとか、キャラクターがしっかりしてる人の方が、活躍していますか?
有我:「それは部署によるのかもしれません。制作は当然、キャラクターがしっかりしてる方がプラスに働くケースは多いと思います。あとは、お取引先も本当にいろんな方がいますし、皆さんコミュニケーション能力がとても高いですね。」
Q.どういう人が入ってきてくれたら、嬉しいですか?
有我:「制作のことだけ言えば、個性が強く、何かに秀でている人、専門分野に長けている人、そういう方々がいたら面白いんじゃないかなと思っています。そもそもBS-TBSは編成の方針としても、万人受けするコンテンツよりも、特定の層や特定の方に深く刺さるようなコンテンツ作りを目指しています。そのため作る側も同じということです。」
Q.休日の過ごし方と、挑戦したい仕事を教えてください。そもそも休日はあるんですか?
有我:「休日に関しては多くの方が気にされていると思います。正直にお伝えすると、ケースバイケースです。週によっては、土日にも収録や撮影があります。
フレキシブルに、夜遅い日があれば、翌日の午前中を休みにするとか、一週間フルに働いたら、次の週は、多めに休みを取るなど。休める時に休むようにしています。
ドラマに携わっている期間に関して言えば、実際、休みは少ないですね。
でも、肉体的な疲労を感じることはあっても、望んで行った部署で、望んでやりたいことをやっているので、楽しくやらせていただいます!」
Q.最後に、これから挑戦してみたい仕事や、BS-TBSで叶えたいことはありますか?
有我:「BS-TBSの場合、外部のパートナー企業様から企画をいただくことが多いのですが、
自分でゼロからコンテンツを企画していきたいですね。」