大人になっても/監督 長島 翔 【天狗の台所 Season2 スタッフnote #9】
1話、6話、9話、最終話の演出を担当した長島 翔です。
9話では、オンと颯真が別れを前にキャンプに出かけました。
大人になると、子供時代の出来事はほとんど忘れてしまいます。
それでも、ちょっとした非日常的な出来事や本当にどうでもいい瞬間が、なぜか焼き付いて強く残っていたりもします。
オンと颯真が大人になっても、この日のことは、きっと美しい記憶として残り続けるだろうなと想定して、撮影を行いました。
(越山敬達くんと原田琥之佑くんにとっても、そうであればいいなと)
一方の基は、そんなオンのことを心配するあまり、夕食の支度を忘れてしまいます。
夕食という概念すら無かったかもしれません。
食いしん坊失格です。
駒木根葵汰くんは、そうした基の葛藤や喜怒哀楽を、抑制を効かせた中で、いつも細やかに演じてくれます。
こちらが多くを説明する必要もなく、常に基としてそこにいてくれるので、とても安心感があります。
Season1からそうでしたが、Season2では、より板についたように感じました。
24歳とは思えない、本当に頼もしい男です。
ハードな撮影で疲労が蓄積してきた頃に、落ち着いた基の声を聞くと、心身ともに癒される感じがありました。
9話ラストの「おかえり」とかは、帰宅したら自動で流れてくれたらいいのになと思います。
「めしあがれ」と抱き合わせで販売しましょう。
耳に心地いいと言えば、劇伴も。
VaVaさんはヒップホップのビートメイクやラップが本業なのですが、流麗なピアノやストリングス、ボッサまで、様々なスタイルの曲をセンスよくオリジナルに仕上げてくれます。
9話前半、オンと颯真が歩いているシーンで流れている音楽は、このエピソードのために作ってもらいました。
ぜひNetflixやTverでも見直してみてください。
次回は、いよいよ最終話。
脚本は岨手由貴子さんです。
岨手さんは、担当話での秀逸な脚本のみならず、ドラマ「天狗の台所」のシリーズを通して、常に道標を示してくれました。
少しずつ大人になっていく基、有意、オンの3人。
夏が終わる前に、どんな道を選ぶのでしょうか。
一緒に見届けていただけたら幸いです。
書いた人:長島 翔(監督)
https://instagram.com/sho_nagashima
火曜ドラマ9「天狗の台所 Season2」
BS-TBS 毎週(火)よる9:00~9:30
【TVer】放送終了後 よる9:30から配信
【Netflix】放送終了後 深夜0:00から配信
出演:駒木根葵汰 塩野瑛久 越山敬達 ほか
原作:田中相『天狗の台所』(講談社「月刊アフタヌーン」連載)
脚本:岨手由貴子 山田能龍 天野千尋 熊本浩武 ナラミハル
監督:長島翔 下田彦太 川井隼人 林田浩川 畑中みゆき
主題歌:「人人」折坂悠太(ORISAKAYUTA)
音楽 : VaVa(SUMMIT, Inc.)
プロデューサー:平賀渉(BS-TBS) 五箇公貴(maroyaka) 向井達矢 (ラインバック)
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