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諸行無常/プロデューサー 五箇公貴 【天狗の台所 Season2 スタッフnote #10】

「天狗の台所 Season2」ご視聴ありがとうございました。
プロデューサーの五箇ごか公貴きみたかと申します。
沢山の方々にSeason1を愛して頂いたお陰で、Season2を制作し、最終話まで無事に皆様にお届けすることができました。

番組がスタートして、3カ月があっという間に過ぎ去っていきました。
1年近く時間をかけて丁寧に作った番組も、ひとたび放送が始まれば、本当に一瞬で、儚いものだなといつも思います。
でも手塩にかけて作ったものはきっと誰かの心に届くはずだと、それだけを信じてやっています。

Season1の企画を鈴木早苗プロデューサーと話し始めてから、早いものでもう2年になります。

その間、様々な紆余曲折がありました。
物事も、人も。
一見同じように見えても、絶えず変化は渦巻いています。
相手が変わったなと思っているけど、自分はもっと変わっていたりします。
気づかないだけで。
永遠なんて無いんだなといつも思います。

基の暮らしにも、料理の出来に一喜一憂したり、自然と共生することの大変さに悩んだり、災害に心を傷めたり…。
細かなドラマが沢山あります。
そして、日々変化しています。
昨日と同じ今日はありません。

今回はそういったことも含め「生きる」という事を、オンのひと夏の生活を通して、もう一段一段掘り下げて描いていきました。

第10話のラストに、僕が大好きなシーンがあります。

オン「まさかオーブンを作っちゃうなんてね。さすがだよ兄ちゃん。買った方が早いし、便利なのに」

 「この夏、オンと過ごして思ったんだ。オンはこれからどんどん成長していくだろうって。そう考えたら少し羨ましくなってな」

オン「俺が?」

 「僕は今の暮らしが好きだし、この先僕自身が大きく変わることはないかもしれない」

オン「……」

 「ただ、いくらでも新しいことはできる」

(オン、基を見る。)

 「母さんも父さんも、有意も慈雨さんも、みんなそれぞれに大事なものがあって、それを守るために新しいことをしている。みんな違うように見えても、そこは同じなんだ」

オン「うん」

(と微笑み合う。)

「天狗の台所 Season2」第10話より
脚本:岨手由貴子

人はそれぞれ事情を抱えながら、それでも何とか生きている。

僕はたぶんこのシーンを一生見返すと思います。

最後に、ご参加頂いたスタッフ、キャスト、並びに見てくださった全ての皆様にお礼を申し上げます。

皆様、最終回までおつきあい頂きまして、誠にありがとうございました。

書いた人:五箇公貴(「天狗の台所」プロデューサー)

■五箇公貴/プロデューサー
代表作にドラマ『サ道』シリ-ズ、 映画『舟を編む』、『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』、書籍「サイコーサウナ」(文藝春秋刊)PODCAST「みんなでサウナ」など、幅広く活動中。
X(旧Twitter)
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Instagram
https://www.instagram.com/kimitakagoka/

火曜ドラマ9「天狗の台所 Season2」
BS-TBS 毎週(火)よる9:00~9:30 *2024/12/24最終回
【TVer】放送終了後 よる9:30から配信
【Netflix】放送終了後 深夜0:00から配信

出演:駒木根葵汰 塩野瑛久 越山敬達 ほか
原作:田中相『天狗の台所』(講談社「月刊アフタヌーン」連載)
脚本:岨手由貴子 山田能龍 天野千尋 熊本浩武 ナラミハル
監督:長島翔 下田彦太 川井隼人 林田浩川 畑中みゆき
主題歌:「人人」折坂悠太(ORISAKAYUTA)
音楽 : VaVa(SUMMIT, Inc.)
プロデューサー:平賀渉(BS-TBS) 五箇公貴(maroyaka) 向井達矢 (ラインバック)

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