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BS-TBSドラマnote

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「天狗の台所」「怪談新耳袋 暗黒」「僕らの食卓」「サワコ」「帰らないおじさん」「あなたはだんだん欲しくなる」「ママはバーテンダー」など、BS-TBSのドラマに関するnoteをまと…
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#塩野瑛久

思い合っていてもすれ違うことはある/編成 鈴木駿 【天狗の台所 Season2 スタッフnote #6】

ドラマ「天狗の台所 Season2」編成担当の鈴木駿です。 第6話「りんごとラーメン」いかがでしたでしょうか。 脚本 岨手さん、長島監督の第6話。 ドラマの折り返しとなる本話では、基・オン・有意の生活に新たな人物たちが関わり始めてきましたね。 第5話では、夏だけこちらにやってきている少年 颯真とオンが出会い、愛宕家の当代で有意のお兄さんである慈雨が京都からやってきました。 人と人との関わりを感じ、前半とはまた違った雰囲気をお楽しみいただけたのではないでしょうか。 Sea

生活を映すように/監督 川井隼人【天狗の台所 Season2 スタッフnote #5】

第5話「米粉と蒟蒻」お楽しみ頂けましたでしょうか? オンの成長が感じられた回で、自分でも楽しみながら撮ることが出来ました。 Season2の衣装合わせでひさしぶりに会ったオン役の越山敬達くん。 「Season1を振り返ってどうだった?」と聞いた時、「料理を食べた時、自分はちゃんと出来ていたかどうか……」と濁しながら話す越山くんの言葉に思わずハッとしました。 ドラマの撮影では食べるシーンだけでも様々なアングルを撮影するので、必然的に料理を何度か食べてもらうことになるのですが、

心開きの日暮れ/監督 川井隼人【天狗の台所 Season2 スタッフnote #4】

第4話「果実とパスタ」監督の川井です。 皆様、ご視聴ありがとうございました。 楽しんで頂けましたでしょうか? 冒頭の抜けるような晴天の日に、ひさしぶりに飯綱家にやって来て顔馴染みのスタッフが準備をしている姿を見て、思わず「ただいま」と言ってしまったほど、ここに帰って来れたことがとても嬉しかったです。 玄関の扉を開けると何もかもがそのままで、ここが美術部の手によって改めて作られた場所だということを忘れてしまう程に、すごく自然に再現されていました。 本当に居心地の良い大好きな場

ささやかだけれど、大きなこと。/監督 下田彦太 【天狗の台所 Season2 スタッフnote #3】

さて、「天狗の台所 Season2」、第3話が公開されました。 ご覧いただいた皆さん、いかがでしたか? ドラマで自分が担当した回の感想はいつも気になるものですが、(Xの「#天狗の台所」のハッシュタグ、いつも見てます!みなさんありがとうございます。) 実はこの回の感想がどんなものかは、いつも以上に気になっています。 だって、本当に…ずーーっと、淡々と、基とオンの隠遁村での生活が描かれている、ただそれだけ(ではないけど、ほとんどそう)のお話だから。 でも、それがいい。 それ

ふたたび、天狗の里へ。/監督 下田彦太 【天狗の台所 Season2 スタッフnote #2】

シーズン1からちょうど1年。 今年の夏もあの「庵」に戻ってきて、最初に感じたのは、「え、あれから1年も経ってたっけ?」ということでした。 昨年と変わらない、細部までこだわってくださった素晴らしい室内美術。 そしてそんな庵を囲む、どこまでも気持ちのいい自然。 時が止まったかのようにそこにある、「天狗の台所」の佇まい。 現場に戻ってきて、スタッフの誰しもがシーズン1の撮影を昨日のことのように思い出していました。 しかし、実際に時が止まっていたわけではありません(当たり前です

大いなる自然に胸を借りて/プロデューサー 五箇公貴 【天狗の台所 Season2 スタッフnote #1】

難しかった。 今回は原作があるといってもオリジナル要素が強い。 原作者 田中相さんのイマジネーション溢れる世界を引き継ぎ、魅力的なキャラクターのまだ見ぬ側面を紡いでいかねばならない。 料理だって「美味しそう!」であれば何でもいいわけではない。 改めて原作の魅力と田中相さんの才能に嘆息した。 しかし、我々には優秀な脚本家陣がいる。 数々の名作を生み出してきた彼らの才能を総動員しつつ、幾度となく脚本打ちを重ねていった。 料理も早い段階で料理家に参加して頂き、ストーリーとリン

プロデューサー鈴木早苗のドラマ「天狗の台所」バックストーリー。「人」と「人」がつながり、作品は出来上がっていく。

「天狗の台所」プロデューサーの鈴木早苗です。 最終回放送から1週間経ちますが、VaVaさんのサントラ配信開始は来週12月20日(水)正午です! 年末年始、折坂悠太さんによる主題歌「人人」とともにぜひお楽しみいただければ幸いです。 https://bs.tbs.co.jp/tenguskitchen/news/ 振り返りますと、「サ道」ファンの私がTBSの後輩からプロデューサーの五箇公貴さんを紹介してもらい、半ば強引に「ドラマ一緒にやりましょう」と持ち掛け、企画が立ち上がっ

プロデューサー五箇公貴のドラマ「天狗の台所」バックストーリー。異世界転生ものなのに、心の原風景と地続きで懐かしい。

皆様、最終回までおつきあい頂きまして誠にありがとうございました。 プロデューサーの五箇公貴です。 私たちは、このドラマを見てくださった方々の気持ちが少しでも楽になればいいな、そして週末に少し時間を取って自分や大切な人のために料理をしてみようかな、と思ってもらえる作品になれば、という気持ちで制作してまいりました。 丁寧な暮らしって本当に難しいと思います。 でも日常の中で少しでも意識をしてそういう時間を作ってみることで、気持ちがフッっと楽になれたり、大切なことに気づけたりする瞬

監督 長島翔のドラマ「天狗の台所」第9話バックストーリー。飯綱夫婦はなぜ息子・基と14年間会わなかったのか?

 ドラマ「天狗の台所」1話、2話、9話、最終話の演出を担当した長島翔です。 オンの背中に紋様が出たことを心配し、突然両親がやってきた9話。 基が両親に会うのは、14年ぶり。 オンも言葉を失います。 なかなか変わった家族です。 「どうして14年も会わなかったのか?」 ドラマを作る前に、そこを理解する必要があり、原作の田中相さんから背景を伺い、ドラマ上の設定として、脚本チームやプロデューサーらと膨らませていき、自分なりに解釈していきました。   母・一乃は、しがらみの多い天狗の

監督 川井隼人のドラマ「天狗の台所」第8話バックストーリー。花札シーンは謎の大喜利アドリブタイムに!

ドラマ「天狗の台所」をご覧の皆さま、はじめまして。 第4話「枝豆とトウモロコシ」第8話「塩鮭と春野菜」の演出を担当させて頂きました、監督兼チーフ助監督の川井隼人と申します。 今回は現場に誰よりも長くいた私がバックストーリーをお伝えしていこうと思います。 クランクインした第1話の撮影の頃はとにかく緊張していたオン役の越山敬達くんも、第8話の撮影の頃になるとだいぶリラックスして現場に参加出来るようになっていました。 冒頭のシーンで元旦に塩野瑛久さん演じる有意に起こされるところは

監督 林田浩川のドラマ「天狗の台所」第7話バックストーリー。お寺での撮影は気持ちが良すぎて、あの魔物が……!

ドラマ「天狗の台所」をご覧の皆さま、はじめまして。 第5話「きのこと栗」と第7話「豚と鶏」を担当させていただきました、監督の林田浩川と申します。 第7話は脚本の段階から「コメディ回」で、他の回よりも少しコメディに振り切った回になっております。 そのなかでも、お寺のシーンが見どころのひとつなのではないでしょうか。 掃除や座禅のシーンを通して心が洗われるような体験をお届けしようと、チーム一丸となって撮影をしていました。 そんななか、ハプニングは起きてしまいました。 お寺特有の

監督下田彦太のドラマ「天狗の台所」第6話バックストーリー。湯気立ち昇る川の温泉シーンは、実は……。

はじめまして。 ドラマ「天狗の台所」演出部ディレクターの下田彦太と申します。 本作では第3話「かぼすと夏白菜」と、11月9日にオンエアされた第6話「ももと里芋」の演出を担当しました。 6話の見どころといえば、なんといっても川の中の温泉のシーンではないでしょうか。 色づき始めた木々に囲まれた雄大な森のなか、源泉の湧く川の温泉にゆったりと浸かり、少しずつ距離を縮めていく基とオンのふたり。 ……そんなふうに見ていただけたとしたら、我々制作陣としてはありがたい限り。 しかし、実

魂は細部に宿る!? 第1話&第2話 私的オススメシーンは東京03角田さんとリスのような基さん。【BS-TBSスタッフの「天狗の台所」note】

「魂は細部に宿る」という言葉がありますが、ドラマを見ていると、細かいところが妙にツボにはまり、結果その作品を好きになってしまう……なんてこと、ありませんか? 申し遅れました、BS-TBS編成部の藤田千春です。 この「BS-TBS公式note」の管理人として記事のアップなどをやっています。 今日は、BS-TBSで放送中の木曜ドラマ「天狗の台所」について、私がツボった細かいところを、皆さんにゴリ推しさせてください! 第1話ラスト、東京03角田さんの第一声シーンに注目。 10

はじめて「兄ちゃん」と呼べた日【BS-TBSスタッフのドラマ「天狗の台所」レビュー第5話】

BS-TBSのスタッフによるリレー連載、ドラマ「天狗の台所」レビュー。 第5話「きのこと栗」は編成担当の秋山桃子が担当します。 第5話、みなさま見ていただけましたか? オン(越山敬達)基(駒木根葵汰)の距離がぐっと縮まった回でしたね。 オンくんが「……おやすみ、兄ちゃん」と初めて言えたシーンは、つい画面に向かって、「よかったね~(ノД`)・゜・。」とつぶやいてしまいました。 これも有意(塩野瑛久)がオンに「『兄ちゃん』って呼ばないの?」とナイスアシストをしたおかげですね。